急に飲みに行こうと思ったり２次会の店を探そうとした際に、店に行っても満席だったり、何件も電話して空いてる店を探したりといった経験をしたことがある人は多いと思う。店側にとっても、大手グルメサイトのネット予約などは当日予約に対応していないことが多く、電話対応では忙しい時に対応しきれなかったりする。また、急なキャンセルなどで空いた席を埋めたいと思ってSNSで発信しても、その商圏内の人に情報を届けることは難しく、忙しい時にはSNSで発信すること自体が難しかったりもする。
そこで、ユーザーにとっても店舗にとっても役に立つ当日のニッチなニーズに応えるサービスとして、シートマーケット（埼玉・和光、鶴田陽平社長）が開発したのが、当日特化型集客サイト〈すぐトル〉（https://sugutoru.jp/u）だ。
昨年７月に銀座・新橋などからサービス提供を始め、１年半で都内と横浜など神奈川の一部にエリアを拡大。個人ユーザー約1700人、登録店舗500店超にまで伸長している。
〈すぐトル〉のサイト
同サービスの最大の売りの１つは使い勝手の良さだ。基本情報と店舗（座席）情報を登録しておけば、当日集客したい時にスマートフォン（またはパソコン）を２タップするだけで〈すぐトル〉上に掲載され、振り客で席が埋まった場合も同じように簡単に取り消しできる。また、〈すぐトル〉から予約や変更が入った際の通知方法は、SMS・メール・電話・管理画面の４パターンから選べる。
同サービスのもう1つの売りは、シンプルな料金体系だ。初期費用や月額費用などは一切かからず、サイトから予約が入った際に送客手数料として、１人当たり昼（８～15時）100円（税別）、夜300円（同）を支払うのみとなっている。そして、最初に登録する基本情報や店舗情報についても、シートマーケットが無料で作成し、店側は最終チェックするだけで済む。このため導入・掲載の手間も費用もほとんどかからず、店側にとってかなり負担の軽いサービスとなっているのだ。
同サービスには、このほかにもクーポン発行機能や曜日・時間・席の種類を事前に設定して決まった時間に掲載するタイマー機能、コース予約設定機能、座席確保後にアレルギーの確認などに使えるメッセージ機能なども搭載している。ユーザーにとっても、人数とエリア、時間を入力すれば、すぐに予約できる店が画面に表示され、行きたい店が見つかれば座席と来店時間を選んでタップするだけで予約完了となるので手間がかからない。
さらに同社は11月、コンサートなどのチケット販売を手掛けるぴあと共同で、横浜エリアのライブ・コンサート前後に空席のある店を探して予約できるサービス〈すぐトル横浜〉も開発した。
現在、コンサート会場周辺などの店舗では、せっかく多くの人が集まるにも関わらず、終演時間が分からないため予約されづらく、公演が長引いて予約キャンセルになったりということが起きている。さらに、土地勘のない会場周辺で空席のある店を見つけられず、諦めて帰ってしまうというお客さんも多い。
ぴあは以前から、イベントの付加価値向上と上記のような機会損失を減らして地域に貢献したいという想いを持っており、その解決策として空席のある店をリアルタイムで探せる同サービスと共同開発することにしたという。
シートマーケットでは今後、関西など提供エリアの拡大を計画するとと共に、上記のぴあとの業務提起のように、地域の飲食店の活性化にも役立てることを考えているという。
