ルーマニアでウイスキーブランド「カーパシアン・シングルモルトウイスキー」などを製造・販売する同国トップのスピリッツ・ワインメーカーのアレクサンドリオン・グループは、2024年初頭に日本で販売会社を設立して日本市場に参入することを決めた。将来的には日本に蒸留所を作り、日本発のウイスキーを世界に販売することも視野に入れる。
同社はルーマニアで唯一のシングルモルトウイスキー生産者で、米国、英国、キプロス、ブラジル、ギリシャなどに事務所または子会社があり、50カ国以上に製品を輸出している。創設者兼会長のナワフ・サラメ博士は、10月27日に都内ホテルで開催した記者会見で、「私はかつてルーマニア産のシングルモルトを作るのは不可能だといわれたが、それを実現した。何世代も仕事を受け継ぐ日本の文化は我々の故郷と同じ。日本の文化をグループに取り入れたい」と語った。
同社は恵まれた自然環境に加えて高品質の樽を多く保有し、ボトリングやラベリングなどの工場に最先端技術を導入している点を強みとする。また、250ha以上のブドウ畑を所有しており、さまざまなワインも醸造。他にもコニャックやジン、ウォッカなど約20種のブランドを有し、どのブランドも国内外のさまざまなアワードで賞を受賞するなど高い評価を得ている。
ウイスキーディレクター兼カーパシアン・シングルモルト蒸留専門家のアラン・アンダーソン氏は「日本ではフルーティな品種が好まれるようなので、「カーパシアン」の中でもバーボン樽で4年熟成させ、軽くピート燻製が施されている〈ピーテッド〉から販売を始め、他の製品に広げていく」と語った。
また、日本での蒸留所建設について同社は、日本ウイスキーの伝統や知識にルーマニアの視点を加え融合させたイノベーティブなウイスキー作りを目指すとした。