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分析データ活用し麹・酒母・もろみの醸造3工程の手間削減! 酒造りのDX推進へ!!【ラトックシステム×京都電子工業】

2023年3月13日 1:53 pm

 パソコン・スマートフォン周辺機器の製造販売などを手掛けるラトックシステム(大阪・難波、近藤正和社長)、研究用分析計などを製造販売している京都電子工業(京都・西大路、岸本京子社長)は、酒造業界のDXを推進するため、ラトックシステムの酒造品温モニタリングシステム〈もろみ日誌クラウド〉と、京都電子工業製の酒類分析計とを連携させるために協業した。

 深刻な人材不足や高齢化に対応するため、製造にかかる工程が多い酒造業界では作業の効率化が急務となっており、機械を活用した自動化とDX化を進める酒蔵も増えている。機械による自動化では作業負担の軽減と精度の高いデータ取得が可能となり、DX化は効率化のほか、長年の経験で取得してきたノウハウをデータで可視化し、技術継承や酒質の向上に役立つという。

 今回、両社が協業することで、麹・酒母・もろみの酒造3工程のデータをクラウド上で管理し、品温記録の自動化やスマホでの品温管理を支援するラトックシステム製〈もろみ日誌クラウド〉に、京都電子工業の酒類分析計で計測したアルコール度数・日本酒度・酸度・アミノ酸度のデータを取り込むことが可能になる。

 これらの分析値は酒質向上などに使用され、〈もろみ日誌クラウド〉では仕込みごとに入力してグラフ表示したり、酒税法で定められた帳票を作成したりできる。また、データの取り込みにより分析値入力の手間を省き、手作業による入力ミス防止にも役立つという。

 京都電子工業が提供する酒類分析計は、試料の計測と記録の自動化による効率化と精度改善に寄与するとともに、〈もろみ日誌クラウド〉と連携することで酒造3工程の事績管理から帳票作成まで一気通貫での酒造り支援が可能になるとしている。

 両社は2023年上半期を目処にデータ連携サービスの早期提供を予定し、将来的にはクラウド連携によるシームレスなデータ管理も視野に入れている。