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値上げしても「行き続けている」が8割超【MS&Consulting調べ】

2022年12月2日 8:54 am

 原材料価格や輸送費コストの高騰などにより、やむをえず商品の値上げを行う企業は多い。
飲食店も同様に値上げをするべきではあるが、「お客さんが離れてしまうのでは……」という不安から、躊躇している経営者も多いのではないだろうか。

 ミステリーショッピングリサーチ(覆面調査)などを手がけるMS&Consulting(東京・小伝馬町、並木昭憲社長)が、消費者の値上げに対する意識を調査したところ、「1年前と比較した現在、値上げがあったが利用を続けているお店はありますか?」と聞いたところ、82%の人が「値上げがあっても利用を続けているお店がある」と回答した。

 「値上げがあっても利用を続けているお店がある」と回答した人に、その理由を聞いたところ、以下のようなコメントが寄せられた。

値上げがあっても利用を続けている理由

・そのお店にしかない商品やサービスがあるから
・お気に入りのお店は値上げがあっても応援したいから
・家族や同伴者など、自分以外の人も気に入っているお店だから
・行きつけの店だから
・自宅や職場から近く立地が良いから
・値上げの説明に納得できたから
・クーポンやポイント還元があるから
・駐車場無料や宅配などの便利なサービスがあるから

 ​​​​一方で、「利用を続けているお店はない」と回答した18%の人に「値上げがあったお店に○○があったら利用を続けていたというものがあれば教えてください」と聞いたところ、以下のようなコメントが挙がった。

〇〇があったら利用を続けていたというもの

・そのお店ならではの商品やサービス
・値上げに見合う品質やサービス向上
・子連れへの配慮など利用のしやすさ
・クーポンやポイント還元などの施策

 「値上げがあっても継続利用している理由」と、「〇〇があったら利用を続けていた」の両方に共通していた点は下記の通りとなった。

・そのお店にしかない商品やサービスがある
・子供など、自分以外の同伴者も気に入っており、快適に過ごせる
・クーポンやポイント還元などがある

 同社は、「値上げを考える際は、自社で『お客様が利用し続ける理由』をいくつ用意できているか、チェックしてみては」と提案する。

 なお、「仕方がないと感じる値上げ理由」については、「原材料費の高騰」「輸送費の高騰」「水道光熱費の高騰」「為替の変動」による値上げについては、6割以上の人が仕方ないと回答した。
 この結果は、前回調査した2022年8月と比べて大きな変化はなかった。

○○を理由とした値上げは仕方ないと思いますか?

 この調査は2022年11月1日~7日、全国20歳~59歳の男女1050人を対象に実施された。