テイクアウト/デリバリーインタビュー読むと得する

料理への評価など活用できるデータも得られる〈UberEATS〉【Uber Japan執行役員社長・髙橋正巳氏インタビュー】

2017年10月11日 10:39 am

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「配達パートナー」のメリットについて

髙橋 「配達パートナー」は東京では現在、4000人以上が登録し、働いている。毎日、しっかりお金を稼ぎたい人もいるし、週末だけ、あるいは週に数時間だけ稼働する人もいる。年齢も18歳から69歳と幅広く、ビジネスオーナーのかたもいる一方、アーティスト、俳優志望のかたなどは、本業が不規則で決まった時間に働けないという理由で、ウーバーイーツの「配達パートナー」を始めるケースもある。出産で仕事を辞めた後、再度仕事を始める場として「配達パートナー」を選ぶ主婦のかたも少なくない。

 ウーバーイーツが「配達パートナー」にお約束するのは柔軟な働き方だ。アプリを立ち上げてオンラインモードにすれば、その間が稼働時間になるし、オフラインモードにすれば、稼働は終わる。 こうした「配達パートナー」の仕事を下支えしているのが、「配達パートナー」向けアプリのテクノロジーだ。配達の経験がなくても、配達エリアに関する知識がなくても、アプリを駆使することで、1週間に数時間働くといった働き方が可能になっている。スマートフォンと自転車やスクーターさえあれば、誰でもすぐに仕事を開始できる。

 自転車がないかたには、シェアバイクをご紹介している。「配達パートナー」向けアプリの技術は、ウーバーが開発したマッチングや地図の技術が下支えしているが、地図のインターフェイスとは別に、〈UberEATS〉のために、ルーティングという新しい技術も開発した。おかげで、「配達パートナー」に対し、ここからここまでは歩いて登るといった案内もできる。また、レストランからの料理のピックアップのために、近隣の駐輪場の写真を載せるなど、詳細なガイド機能も搭載している。こうしたサポートによって、東京のように非常に入り組んだ街でも、「配達パートナー」は安心して料理の配達ができる。

配達を依頼するレストランにとっては、料理がきちんと届くかどうかが気にかかる。「配達パートナー」の質の確保についてはどうか。

髙橋 「配達パートナー」の信頼性は非常に大事だ。もちろん、当社はパーフェクトではないが、例えば東京では99.5%の割合で、注文された料理が問題なく「ユーザー」の元に届けられている。今後も、この比率を維持し、さらに高めていきたい。ユーザーによるキャンセルがあったり、料理がこぼれたりなどの不都合があった場合は、東京での〈UberEATS〉のサービス時間である毎日10時から23時まで稼働している〈UberEATS〉のサポートセンターに問い合わせてほしい。サポートセンターが責任を持って「ユーザー」への返金を含めた対応をする。

 「配達パートナー」には登録時に説明会に参加していただき、免許や保険などの確認をするほか、配達時の注意事項や「配達パートナー」用のアプリの使い方についてお伝えしている。

「配達パートナー」の報酬はどのような基準で、いつ支払われるのか。また、「配達パートナー」の責任でデリバリーが完遂できなかった場合(交通事故、怠慢、料理の破損など)のペナルティはあるのか。

配達パートナーはユーザーからも評価される

髙橋 「配達パートナー」には週に1度、配達実績に合わせた配達料をお支払いしている。支払額の基準等は公開していない。また、デリバリーが完遂できなかった場合のペナルティなどは特に設けていないが、「ユーザー」や「レストランパートナー」から「配達パートナー」が評価される「評価制度」を設けており、それを「配達パートナー」の質の確保に役立てている。怠慢や故意の料理破損などによって、「ユーザー」や「レストランパートナー」に迷惑が生じた場合、彼らからの評価が下がる可能性がある。評価が一定以上に低くなった場合、また、人種差別や暴力、侮辱などの不適切な振る舞いなど、設定されたガイドラインにそぐわない行為に対しては、状況を精査した上、全体のクオリティを保つために、その「配達パートナー」の〈UberEATS〉での配達を差し止めることも検討する。

東京でのサービス拡大はたいへん好調のようだ。日本市場における急成長の理由をどう分析しているか。

髙橋 日本には独自の食文化や出前文化がある。東京は言わずと知れた食の都であり、〈UberEATS〉のサービスは、日本市場と親和性が高いとかねてから考えていた。実際にサービスを提供してみると、想定を超える数の「ユーザー」にご利用いただいており、〈UberEATS〉への需要拡大には目を見張るものがある。料理を提供する「レストランパートナー」の数も、16年9月29日のサービス開始発表時点の150店舗以上から、約半年後の17年7月20日現在で800店舗以上となり、わずか半年ほどで急拡大している。

 多くの「ユーザー」からは、外に食事に出る時間がなかったり、食事を作る時間がなかったりしたときに、スマートフォンで手軽に注文した料理を配達してもらえるので、非常に便利だという声をいただいている。また、日本でもフードデリバリーへの考え方が、昔とは変わってきているのを感じる。従来のデリバリーのアイテムはピザ、蕎麦、丼物、中華料理といった限られた分野のものでしかなかった。〈UberEATS〉のサービス登場によって、精進料理からサラダ、エスニックやデザートまで、多種多様な「レストランパートナー」の料理を1品から注文できるようになった。また、配達先も家だけではなく、オフィスやホームパーティの会場、ピクニック先なども指定でき、目的に合わせて柔軟にご利用いただけることも、〈UberEATS〉のサービスが広く皆様に愛されている理由ではないかと考えている。

マクドナルドの一部店舗もウーバーイーツを利用している

マクドナルド、スシローなど大手外食企業によるウーバーイーツ利用については。

髙橋 マクドナルド様による〈UberEATS〉導入に関しては、特に都心におけるデリバリーサービスのニーズが拡大している現状を踏まえ、そのニーズに応えて、よりお客様の利便性を高めるために、導入を決定されたと聞いている。大手外食企業による〈UberEATS〉のサービス導入は、料理アイテムの多様化という意味でも、歓迎できる。

今後のエリア拡大や、新しい展開の可能性について。

髙橋 現在は東京17区(渋谷区・港区・千代田区・中央区・新宿区・目黒区・品川区・中野区・文京区・台東区・豊島区・北区・板橋区・杉並区・練馬区・世田谷区・大田区)の一部エリアで展開。さらに11月1日からは横浜でもサービスを開始した。今後も順次、サービスエリアを拡大していく予定で、より多くのお客様に、〈UberEATS〉のサービスをご利用いただきたいと願っている。
写真提供:© 2017 Uber Technologies Inc