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形状や色、置き方がバラバラな食器でも自動で仕分けて片付けるロボットが本格稼働【TechMagic×フジマック】

2022年6月2日 11:53 am

 大型厨房を持つ飲食店などで食器片付けを担当する作業員は、熱気と蒸気の中で長時間立ち続けるなど厳しい就業環境下に置かれている。そのため作業員の採用が難しく離職率も高いという課題を抱えている。

 そこで、テクノロジーによる食インフラの創造に取り組むTechMagic(東京・青海、白木裕士社長)と業務用厨房機器総合メーカーのフジマックは、昨年4月から形状や色、置き方がバラバラの食器を一度に流してもAIが自動で判断して仕分けるロボット〈finibo(フィニーボ)〉の実証実験をすすめていたが、今回、国内大手企業の社員食堂で本格稼働させた。

 同ロボットは抗菌・抗ウイルスにも対応しており、通常の仕分けロボットでは、指定された食器のみを決められた通りに動くようにティーチングしたりマーカーを設置したりするところを、ティーチングせずにマーカーがなくても、ロボットに搭載されたAIが瞬時に判断して対応できるようにした。また、食器をランダムな位置や状態で流しても、即時に適切な軌道を計算し、ロボットの各モーターに直接指示。複数の食器への同時対応も可能となり、食器の種別ごとに設定された枚数になるまで皿をコンベア上に積み上げる。

 このほか、丸や四角形の食器、白・黒などの食器にも対応し、高確度な分類を出来るようにした。吸着部の取り換えについても、工具が必要なく簡単ん位脱着できるようにし、制御盤から簡単に動作指示できるようにした。性能面では、1時間あたり450枚の食器を仕分けられ、これまで3〜5人で行なっていた作業を1人に削減できるという。