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マイナス60℃液体急速冷凍システム〈Food Time Machine〉販売へ【豊翔】

2022年2月14日 3:37 pm

 製本事業などを展開する豊翔(埼玉・新河岸、仁居弘―社長)は、マイナス60℃で保存する液体超急速冷凍システム〈Food Time Machine(フードタイムマシン、以下FTM)〉を開発し、3月1日から販売する。

 同社は、珪素の持つ格子振動を利用し、低温安定化素材の炭素を用いて-60℃でも凍らない〈フードタイムマシン〉専用の不凍液を開発。これにより、超低温の瞬間冷凍を可能にした。

 従来の冷凍技術(-15℃~-20℃程度)では、表面組織の水分から凍結が始まるため、氷結による膨張で多くの細胞組織が破壊されてしまい、ドリップや旨味成分が流出する原因になる。
 また、脂肪分は水分よりもゆるやかに凍結するため、組織内で水分と脂肪分が分離してしまい、風味が劣化しがちだ。

 〈フードタイムマシン〉は、水分と脂肪分を同時に急速凍結することで細胞組織は保持され、素材本来の味覚や食感、香りを保持できる。特に、水分が多い食材や傷みやすい食材(特に脂肪分の劣化による)にとっては理想的な凍結方法だという。

 アニサキスなど寄生虫の死滅駆除(サバでの国内調査で-30℃完全死滅の報告あり)や、超低温による微生物の増殖抑制および菌の死滅効果があり、細胞内酵素の不活化、酸化などの化学反応をしないため劣化しづらい。そのため、長期保存が可能になる。

 飲食店では、魚介など脂が乗り廉価な旬のものを素早く完全凍結することで、年間を通じて高品質なメニューが提供可能となる。

 サイズ展開は3種で、〈急極冷凍330〉(庫内容量:220リットル・1回最大量20kg以上 /1日最大量40kg以上)、〈急極冷凍330〉のハーフサイズになる〈急極冷凍60フル〉(庫内容量:33リットル・1回最大量10kg以上 /1日最大量16kg以上)、半分がフリーザーで半分がストッカーの〈急極冷凍ハーフ〉(庫内容量:33リットル・1回最大量4kg以上 /1日最大量10kg以上)。その他、不凍液や網ラックなどのオプションがある。いずれもオープン価格。