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用意するのは販売員と商品だけ! 1日から契約できる移動販売の新サービス登場!!【MIKKE!】

2021年12月22日 11:47 am

△豊洲公園で開催したクリスマスマーケットの様子

 移動販売は店舗開業よりは初期費用がかからないものの、やはり車の購入や改修費用またはレンタル費用などが必要となり、良い場所で出店するための準備も不可欠となる。それらの課題を解決するため、三井不動産の子会社で新規事業を開発・推進するShareTomorrow(東京・日本橋、須永尚社長)は、販売員と商品またはサービスがあれば、誰でも簡単に移動販売できるスキーム「MIKKE!(ミッケ)https://www.mikke-spot.com/を開発し、東京湾岸地区で試験運用を始めた。

 「MIKKE!」は「出店する場所」「車両」「顧客基盤」を出店者が共有する「シェアリング商業プラットフォーム事業」で、出店者は販売員と製品またはサービスを用意して、現地に直行してそのまま営業できるサービスとなっている。

 「出店場所」はマンションやオフィスビルの敷地内や駐車場、公園などで、当面は三井不動産が開発・運営する物件が中心となるが、将来的には他社のマンションやビルなどにも広げていく考えだ。

 シェアする「車両」は、売りたい製品やサービスを聞いた上で、大・中・小のサイズと、冷蔵機能の有無などの設備タイプから適しているものをShareTomorrowが提案する。キッチンカーは取り扱っていないため、その場で調理して販売することはできない。

 「顧客基盤」についてはまだデータがないため今後のこととなるが、売上実績と連携した顧客データを蓄積し、マンションの住民などの顧客から要望を聞いたりすることで、この場所にはどのような製品が売れるかや、どのようなサービスが求められているかなどのデータを整理した上で提供。営業開始時点で顧客情報を活用して営業できるようにするという。

△豊洲公園で開催したクリスマスマーケットの様子

 販売予約できる時間帯は、現在のところ昼前後からと夕方からの1日2回転としているが、これも出店者の要望によって時間をずらして営業できるようにしていきたいという。営業期間も1日から1週間、数カ月など好きな期間だけ予約するという形なので、短期間のプロモーションなどにも活用でき、好きな時期に好きな場所で好きな時間だけ営業できるサービスとして構築していく。初期費用はかからず、利用料だけで営業できるので、法人だけでなく個人でも利用できる仕組みとなっている。

 主な出店者としては、そのエリアに店舗がない業種・業態やマーケティング・広告宣伝目的の外食企業やメーカーなどを想定。利用料金については、業種・業態や目的、販売方法などにより売上が大きく変わってくることから、まだ決まっておらず個別対応となっているが、データを蓄積しながら料金体系を作っていくとしている。

 現在、湾岸地区のマンション12区画、駐車場2区画、オフィスビル2区画、公園4区画で食物販・物販・サービスの16店舗がキャラバン営業しており、2022年春までに湾岸地区で60区画・60店舗以上の稼働を予定。それ以降は東京都内を中心にエリアを拡大していくという。

△ShareTomorrow代表取締役の須永尚氏

 須永尚社長は会見で「商業施設ともECとも異なる新たな買い物やサービスを体験できる第3の買い物体験を提供したい」と意気込みを語った。