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小規模店の9割が売上減少見込みも2021年は7割が「ある程度回復」と予想【シンクロ・フード調べ】

2020年12月27日 11:34 am

 シンクロ・フードは12月16~18日の期間、飲食店に特化した物件情報サイト「飲食店.COM」の会員である飲食店経営者・運営者519人を対象に、飲食店における2020年について調査を実施した。

 今回の調査は、67.6%が1店舗のみを運営している。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は55.1%(首都圏の飲食店の割合は70.9%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されるので、それを踏まえて読んでほしい。

 2020年11月の経営状況について昨年同月と比較してもらったところ、「前年同月より50%以上減った」との回答が21.2%と最も多く、次いで「30%減った(18.5%)」、「20%減った(16.2%)」、「40%減った(13.5%)」と続いた。

 10月の売上の昨年対比が、「前年同月より30%減った(16.4%)」、「50%以上減った(15.4%)」、「20%減った(15.2%)」。9月売上の昨年対比が、「前年同月より30%減った(22.9%)」、「50%以上減った(19.4%)」、「20%減った(4.5%)」となっていたことから、9月以降は徐々に回復の兆しが見られたものの、11月に入り再び下降傾向にあることがわかる。

 2020年の年間総売上の昨年対比については、「19年の総売上より30%減った」との回答が最も多く20.6%。

 次いで「40%減った(16.8%)」、「70%以上減った(13.9%)」、「50%減った(11.9%)」と続き、昨年の総売上よりも「減少した」と回答した人は9割近くにのぼり、この一年間でほとんどの飲食店が売上の落ち込みを経験していることが判明した。

 特に印象的だった今年のトピックスでは、ほぼすべての人が「新型コロナウイルスの流行(95.2%)」と回答。次いで、「自治体要請による営業時間短縮や休業(67.2%)」、「過去最多となった飲食店の倒産(37.4%)」、「テイクアウト・デリバリーサービスの流行(31.4%)」と続き、上位5項目が新型コロナウイルスに関係するトピックスとなった。

 一方、新型コロナウイルスが関係しない話題の中では、「改正健康増進法の施行(屋内の原則禁煙化)」が最も注目されており、16%だった。 

 また、コロナ禍の飲食店経営で最も苦労したことは、約9割が「売上の減少(87.7%)」と回答。それに波及する形で、「店舗家賃・光熱費など固定費の確保(51.1%)」、「コロナ関連の給付金・補助金・助成金の申請(48.2%)」といった回答が続いた。

 今年一年間で、お客さんの動向にどのような変化があったかについては、「衛生面を気にする人が増えた(59.9%)」との回答が最多となり、さらに「1組あたりの人数が減った(57%)」、「夕方以降の来店が少なくなった(43.9%)」、「滞在時間が短くなった(28.7%)」と続いた。

 これには「3密」を避けようという人々の意識や、長期的な夜間自粛の動きなどが影響しているものと思われる。

 新たに始めたサービスや工夫したことについては、「座席の消毒など衛生管理の徹底(74.8%)」が最多という結果に。感染予防対策の実施は、飲食店を営業する上で必須になっていることがわかる。

 次いで、「テイクアウトサービス(47.6%)」、「デリバリーサービス(22.2%)」、「SNSの利用(19.7%)」と続いた。

 2021年の売上について、どの程度回復が見込めると予想するかで、最も多かった回答は「コロナ以前の6~7割程度は回復する」で28.1%

 続いて「8~9割程度は回復する(23.3%)」、「回復しない(16.6%)」となり、約7割の飲食店が「(ある程度)回復する」と予想していることが明らかとなった。