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町の隠れた名店を探せるクーポンサイト開設【テンポスフードプレイス】

2019年5月15日 8:14 pm

 飲食店の開業・経営を支援する事業を展開するテンポスホールディングス(HD)の子会社テンポスフードプレイス(東京・蒲田、品川絵美社長)は、中小の飲食店のみを対象とするクーポン掲載サイト「IPPOME(一歩目)クーポン」を開設した。


 テンポスフードプレイスは、パソコンやインターネットにあまり詳しくない中小の飲食店経営者を支援する目的で、昨年11月に設立。店の前をよく通っているけれど入店までには至っていない近隣の住民や、食べログやぐるなびなどのグルメサイトには載っていない名店を見つけたいという潜在顧客に対して、入店のハードルを下げることを目的に、新たにクーポンサイトを立ち上げた。

 大手グルメサイトでクーポンを用意して集客しようとしても、まず上位に掲載するためには、中小の飲食店にとっては高額な広告費用が必要となり、負担が大きい。そのため「IPPOM E クーポン」は掲載料を無料とし、掲載したクーポンを利用した顧客1人に対して30円を支払う成果報酬型を採用した。

 品川社長は「飲食店はまず一歩、店に入ってもらえないと売上につながらない商売。利用者が入店するように背中を押すという意味を込めて『IPPOMEクーポン』と名付けた。店の存在を知っていても、広告やサイトで見たことがなければ通り過ぎる人は多い。そういう人が入店するきっかけをクーポンで作り、その後のリピートにもつなげることで『隠れた町の名店が見つかる』サイトにしていきたい」と意気込みを話した。

 掲載を申し込むためには、申し込み時の店舗数が10店舗以下、年商20億円以下であることが条件となる。サイトには店舗やメニューの写真と店舗情報と共に、料金の割引や1品無料など各店の要望に応じたクーポンを作成。スマートフォンのGPSと連動し、店に近づくと利用可能となる仕組みだ。実際に来店したユーザーのみレビューを書いたり評価できる機能も搭載し、レビューには店主が返信できるようにした。

 今後、利用履歴を基に2回目の来店者には別のクーポンを表示したり、常連客には裏メニューを提供するクーポンを作るなど、リピート客を増やすためにも有効な機能を追加する予定だ。また、検索機能でも店名やエリア、業態による検索や人気ランキングなど一般的な項目に加えて「BGMが昭和」「夫婦で営業」「家庭料理が食べられる」など、さまざまな好みに合わせて検索できるようにしていく。

 同社は基本的なホームページ(HP)の作成やPOP・メニュー札の作成などを無料で手掛けるサービスも提供していることから、クーポンサイトと同時にホームページを作ることもできる。また、集客に大きな影響を与えるクーポンサイトやHPで掲載する写真についても、アマチュアかプロかを選んで撮影してもらうサービスも有料で用
意した。

 今後、テンポスのグループ力も活かしながらサイト利用者を増やすとともに、3年以内に登録店数5万店達成を目指す。

日本外食新聞2019年4月25日号掲載