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従業員を1~2年間他業界にレンタル!コロナ禍からの回復後に戻れるサービスが誕生!!【グローアップ】

2020年4月15日 8:18 am

 新型コロナの影響で従業員の雇用を維持することが厳しくなっている飲食店向けに、従業員は1〜2年間、他業界の企業で働く機会を提供するサービスが誕生した。

 飲食向け中途人材紹介サービス「エフジョブ」を運営するグローアップ(東京・新宿、仲真良広社長)が始めた「飲食業界版レンタル移籍サポート ロンデル」http://londel.jp/)は、飲食業界で働く人の生活維持と飲食企業の雇用問題の解消、飲食業界の素早い復興の一助となることを目指して開発された。

 すでに一部の企業で事業縮小や撤退を余儀なくされており、事態が収束した後も以前の水準に戻るまでには約1~2年はかかると予想されているため、このままでは従業員の雇用を維持できない企業が多数出てくることが予想される。

 同社はサッカー選手のレンタル移籍のように、もう一度自社に復帰できるように1〜2年の期間を設けて、他業界の企業で働く機会を提供する仕組みを構築。受入先企業は、緊急事態宣言後に特に人手が必要となる企業のほか、農業法人や水産加工業など飲食人材のスキルアップを図れる企業を想定する。また、レンタル移籍した従業員は新たな経験を積むことで社員自身の成長にも繋がることが期待できる

 調理スタッフは調理スキルを持っており、接客スタッフはコミュニケーション能力が高く、ホスピタリティに優れている。マネジメントスタッフは10人程度から大型店になると100人を超える社員・アルバイトのマネジメントをしながら売上管理・品質管理をしていることから、これらの能力を活用できる他業種の受け入れ企業とのマッチングを図る。

 登録する従業員は一定の期間(1年〜2年程度を想定)を決めて、出向または契約社員のどちらかの契約体系を選び、マッチングできれば希望の業界で勤務する。雇用保険を活用した教育訓練制度などによるスキルアップ支援も考えている。契約満了時には従業員に今後の意向を確認し、元の企業に戻るか、そのままその企業に正社員となって残るかを選ぶ

 飲食企業側のコストはすべて無料で、受入企業側は月額料金として1人あたり4万円(農業・水産加工業などの一部業種は無料)をグローアップに支払う仕組み。

 グローアップはナシエルホールディングスのグループ企業で、2008年の設立以来、飲食店向け人材紹介サービスを提供しており、飲食店の取引企業数は単体で約1000社となっている。同グループ累計取引企業数は飲食企業を中心に4万社以上となっている。

 仲真良広社長は「飲食店経営者が断腸の思いで解雇の決断をしなければならない場合に、このまま飲食を愛する従業員が致し方なく他業界へ流出してしまう事を防ぐべく、再度呼び戻せる道を提供したいと考え、今回のサポート事業を開始する事を決定した」とコメントしている。