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テイクアウト導入店は増加傾向も消費者の6割超は未利用【シンクロ・フード&メニューデザイン研究所】

2020年4月14日 4:49 pm

 飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」を運営するシンクロ・フードは4月3~6日、飲食店経営者・運営者である飲食店.COM会員514人を対象に、テイクアウト・デリバリーの対応状況に関するアンケート調査を実施したところ、新型コロナウイルスの影響で「前年同月より売上が減った」との回答は約8割に上った。

 2020年3月の売上の前年対比では「前年同月より売上が10%減った」(8.2%)、「20%減った」(16.5%)、「30%減った」(20.8%)、「40%減った」(13%)、「50%減った」(11.7%)、「60%以上減った」(11.3%)という回答が得られ、約8割の飲食店が売上を落としていることがわかった。

 現在検討している対策(複数回答可)では、「融資・補助金・助成金を活用する」54.7%と最も多く、次いで「テイクアウト販売を始める・または強化する」52.7%、「営業時間の短縮」30.5%という結果だった。

 さらに自由回答で「テイクアウトの集客のための施策で効果があったこと、工夫したこと」を聞いたところ、「来店客にテイクアウトを宣伝したところ、口コミでテイクアウトの利用客が増えた」「宅飲み用のおつまみセットを販売」「割引券付きチラシをテイクアウト容器に添付し、イートイン客の集客にも役立てた」などの回答があった。

 デリバリー販売についても聞いたところ、「デリバリー販売している」(19.1%)、「準備を進めている」(11.5%)、「検討中」(25.7%)となり、前向きな回答が多く得られた。テイクアウトと同じ質問の自由回答では、「複数のデリバリーサービスに手を出さずに絞った方が、オーダーが集中するように感じる。また競合店より少し割引した」「SNSでの情報発信が地域のお客さんに1番影響があると思う。地域の新聞、地方紙などで告知する」「代行配送の手数料が高いため、自社配送に切り替え粗利アップ」などの声が寄せられた。
 同社では緊急事態宣言が発令される前に集計したものであり、回答者のうち68.7%が1店舗のみを運営しており、東京にある飲食店の割合が58%(首都圏の割合は73.3%)のため、こうした背景が結果に影響したと推測している。

 一方、メニューデザイン研究所が実施した消費者向け動向調査を見ると、テイクアウトについて「利用していない」の回答が66.7%と最も多く、回数が「増えた」が25.8%、「変わらない」が7.6%という結果となった。

テイクアウトした業態は?

 「増えた」と答えた人にテイクアウトした業態を聞いたところ(複数回答可)、「ファストフード」が最も多い65%となり、次いで「個人の飲食店」が45%だった。一方「居酒屋チェーン」はゼロだった。

 「飲食店のテイクアウトに求めること」では、「安全性」や「待ち時間短縮」「タッパー詰めされたものを袋に入れる際も手袋を着用してほしい」「アルコール消毒、マスク必須」などの回答があった。同調査は4月8~10日に、会社員、会社役員、自営業、パート、アルバイト、無職を対象にウエブアンケートを実施し66人から回答を得た。