複数のデリバリーサービスを一元管理できるサービス〈Camel〉を開発・運営するtacoms(タコムス/東京・中目黒、宮本晴太社長)は、テイクアウトの電話注文をAIが自動で受付・応対する音声AIサービス〈Camel AI Call〉のβ版の提供を始めた。
店舗の席予約などと異なり、テイクアウトの注文受付では、商品名などの注文内容を聞き取った後、店舗での調理時間や商品の在庫状況を反映して回答するという複雑なデータ確認が必要となる。
同社は〈Camel〉を通じて店舗商品データの管理、在庫状況や調理時間の設定などをできるようにしていることから、これらのノウハウを生かして、テイクアウトの注文受付可能なAIを開発。これにより、自動電話応対サービスで多く見られる、質問に対して数字を押して回答する形式ではなく、自然な会話をしながら注文できるようにした。
基本的には、フローに沿ってAIが注文を聞き、店舗の商品データや営業状況と連携したAIが、欠品情報や調理にかかる時間、受付可能な営業時間を考慮した上で適切な注文受付や来店(受け取り)時間を案内。その内容を店舗のPOSや注文端末に送信する。
さらに、注文の途中で「現在の最短受け取り日時は何分後ですか?」のような質問を入れ込んだ場合も、AIが柔軟に対応し回答。「受け取り日時は今日のできるだけ早い時間に」「明日の15時半で」「味噌ラーメン、、、いや、やっぱり醤油ラーメンにして」といったような会話でも、AIが注文者の意図を汲み取り注文内容を特定するという。
〈Camel〉と連携すると1台のタブレットで各種フードデリバリーやモバイルオーダーと合わせた受注・品切れ設定・受付状況の一元管理が可能となるが、〈Camel〉を導入していなくても、〈Camel AI Call〉のみでも導入可能だ。その際も、〈Camel〉で対応している他社の注文管理・POSシステムやキッチンプリンターとも連携できるようになっている。
電話番号は、同社が発番するテイクアウト受付専用の電話番号に変更するか、既存の店の電話から同社発番の番号に転送する形となる。導入費用や利用料金については、β版のため店舗規模や想定電話件数に応じた個別見積もりとなっており、正式版のリリース時に、料金体系を整えるとしている。
同社では、「AIが24時間365日休むことなく電話に対応するため、営業時間外やピークタイムでも注文を取り逃すことがなくなります。これにより、機会損失の防止・売上拡大やお客様の満足度向上に貢献します」としており、今後も各種AIプロダクトを順次リリースする予定だという。







