シフト管理や情報共有、動画マニュアルの作成・閲覧などの機能を搭載するサービス業向け店舗マネジメントツールで、2万店超で導入されている〈はたLuckアプリ〉を開発・運営するHataLuck and Person(東京・日本橋、染谷剛史社長)は、独自のコンサルティングノウハウを搭載し、店長のマネジメント業務を支援するAIエージェント(自律型人工知能システム)「はたLuck AI」を開発し、その第1弾として〈はたLuck AI エンゲージメント〉をリリースした。
同サービスは、〈はたLuckアプリ〉に搭載された「はたLuck AI」が店長のパーソナルコンサルタントとなり、職場アンケートのデータや「いいね」を送りあうなどの行動データを基に、店舗のエンゲージメントスコアとマネジメントスコアを総合的に評価した職場ランクを算出。マネジメント課題を特定し、改善に向けた具体的な行動を提案するもの。
例えば、「チームワーク不足」と診断されたホテルでは、料理長に対して「帰りがけにスタッフに『ありがとう』と感謝を伝えること」をAIが提案。その行動が継続されると、次に「リーダースタッフからも感謝を伝えるように指示する」といったように、段階に合わせて自動で次の行動を示す。これにより、導入初期は戸惑いなどがあり2カ月目までは一時的にスコアが低下したものの、改善アクションの継続・習慣化により、4カ月目にはスコアが回復・向上したという。
同サービスの最大の強みは、〈はたLuckアプリ〉が社員だけでなくアルバイトにも使用されていることで、社員が少なくアルバイトが多い店舗でも正確に職場の課題を診断して改善を図れる点だ。
代表の染谷剛史さんは「1人で悩んでいる店長に寄り添い、店長の代わりになるのではなく店長のステータスを上げるためのツール。人手不足が深刻化する中で、売上は高いけれど離職率も高い企業は、今後厳しくなる。人が辞めず利益を増やすことがマネジメントであり、『はたLuck AI』はその評価にもつなげていく予定だ」と語った。実際に実証実験に参加した店舗では、アルバイトの離職率が20%改善した例もあるという。
〈はたLuck AI エンゲージメント〉では、「職場変革4Cフレーム」と呼ぶ「Culture(価値観・相互尊重)・Capability(人材育成・リーダーシップ)・Common Rule(ルール・運営基盤)・Communication(指示・対話・情報共有)」に基づき、職場ランクと掛け合わせて、「チームワーク不足症」「リーダー不足症」「ルール不明確症」「コミュニケーション摩擦症」などと診断。100以上の改善アクションから、その課題の改善に最適なものを選び示唆する。
「はたLuck AI」では今後、今回の「エンゲージメント」に続いて、「スキル」「ナレッジ」「ビジョン」の4領域についてのコンサルティング機能を追加していく。これらがすべて揃った際には、企業理念やその企業独自の言葉の使い方などにも対応した、それぞれの企業に特化した「はたLuck AI」を提供できるようになるという。利用料金は1職場あたり税別1万円~で、1店舗で店長のみ使用するなら1職場となり、ホールとキッチンでそれぞれ利用するなら2職場となる。
染谷さんは「エンゲージスコアの悪いことが利益圧迫の先行指標にもなる。店長の教育費削減やスーパーバイザーの負担軽減にもつながり、売上だけでなく利益を増やす店長を生み出し評価することに役立つツールにしていく」と語った。












