POS/注文ピックアップ勤怠管理

レジ専用PC使った高機能POSレジを共同開発! 不具合発生時に遠隔操作で対応も【USEN×NTTデータ】

2025年3月25日 8:44 am

 USEN&U-NEXT GROUPのUSENとNTTデータの両社は3月24日、共同開発した飲食店向け高機能POSレジ〈USENレジ〉を発売した。今回の新製品についてUSENは「オペレーションをこれから固める企業に最適な商品設計にしており、約10店舗以上の中小チェーン店向けにはパッケージ販売も行う。また、約100店舗以上など大規模チェーン店に対しては独自のカスタマイズにも対応できる」としている。

 USENは2015年から中小店舗向けにタブレットPOSを販売する中、新たにパソコンを使った高機能な上位製品を拡充しようとしたが開発ノウハウがなかった。一方NTTデータは、これまで流通・小売業向けを中心にPOSを開発してきたため飲食業向けのノウハウを持っていなかった。

 そこで、両社の強みを融合することで新たな市場開拓を図るため、端末レベルから独自設計した専用ハードウェアとソフトウェア一体型POSレジを開発した。

 〈USENレジ〉は、レノボ製ミニタワーPCとタッチパネルディスプレイのPOS本体、レシートプリンター、ローカルルーター、無線LANアクセスポイント、ハンディ端末、タブレットオーダー端末、注文プリンター、キャッシュドロア、キャッシュレス決済用の〈USEN PAY〉などから成り、他の用途では使用できない専用機器となっている。最小でPOS本体とレシートプリンター、ローカルルーターがあれば利用可能。さらに、「注文端末だけが欲しい」というニーズもあることから、ハンディ端末とタブレットオーダー端末はPOSなしの単体でも導入できるようにした。

〈USENレジ〉の主要機器

 POS本体のPCのOSには〈Windows IoT Enterprise〉を、CPUにはマルチコア性能に優れた〈AMD Ryzen〉を採用し高速処理と安定稼働を実現。ディスプレイは、〈iPad〉よりも大きな13.3インチで医療モニター同等の高輝度液晶により視認性と快適な操作性を実現した。

 水場や油を使う場所の近くに置かれたり、頻繁に抜き差しされたりすることで充電口が劣化して買い替えることが多いハンディ・タブレットの両端末には、耐久テストを重ねた非接触型マグネット充電対応の専用ケースを開発。過酷な業務利用にも対応できる堅牢性を確保した。

 ローカルルーターとアクセスポイントは遠隔監視できる独自開発のもので、24時間・365日サポートを受けられ、不具合が起きた際には遠隔操作で再起動などの対処も可能。停電時にはローカルルーターから電源を供給するバックアップ機能も搭載している。

 モバイルオーダーのメニュー表は縦スクロールと横スクロールのどちらかを選択でき、有料オプションで印刷したメニュー表のようなフリーレイアウトにも対応可能。また顧客向けのメニュー画面だけでなく、店員が使う端末やPOS本体の操作画面も日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)の5言語に対応しており、外国人スタッフの使用にも配慮した。

多言語対応のサンプル画面

 他のUSENグループのサービスとの連携もできるため、〈USEN MUSIC Entertainment〉導入している店内にかかっている曲の説明を画面表示したり、卓上タブレットからリクエストしたり、スタッフがハンディ端末で曲を指定したりもできる。これにより、スタッフが誕生日プレートを提供する際に音楽を合わせるといったサプライズ接客にも役立てられるという。

 また防犯カメラの〈USEN Camera〉と連携すると、キャッシュドロアの開閉時間が記録され、POSにあるシフト作成機能と照らし合わせることで、その時間にいたスタッフを特定でき「内引き」対策にも使えるとしている。

 USENグループ全体でのスケールメリットを活かし、POS本体とローカルルーターは現在のタブレットPOSと同価格帯とし、まずは新店オープン時からの導入で広めていく方針だという。