
四国電力のグループ企業の四国計測工業(香川・多度津、寺井昇二社長)は、4月から食材のうま味を短時間で増進させる厨房機器〈 Umamié(ウマミエ)〉を販売する。
同社がこれまで販売してきた、研究用マイクロ波の技術を食の分野に応用した熟成促進装置〈Aging Booster〉を改良・発展させた後継機で、従来では実現困難だった「じっくり寝かせたようなうま味」と「鮮度」を共存できるようにした。
〈Umamié〉では、食材の個体ごとに異なる水分量の調整や、食材が本来持つ素材のうま味を引き出すなど、料理のプロが求める「食材のコンディションを最高の状態にする」というニーズに対応するため、「うま味増進」「水分量の調整」「短時間処理」を実現した。
肉や魚、野菜、乳製品、乾物などさまざまな食材で味を変化させることができるため活用法は多岐にわたる。同社では「仕込みの手間を省けるだけでなく、料理のプロの創造力を刺激し、独創的なレシピの開発にも役立つ」としている。
同製品の最大のポイントは、マイクロ波により食材内部を温めながら、冷却機能により食材表面を冷やすことにある。同社の独自技術により、食材内部をマイクロ波で温め温度を上げることで酵素が活性化し、たんぱく質からアミノ酸への分解が進む。また食材表面を冷却することで雑菌の繁殖や腐敗リスクを下げ、鮮度を維持。さらにマイクロ波と冷風の相乗効果で食材内部の余分な水分の除去を促進することでうま味を凝縮する。
使用例としては、通常2週間から数カ月かかる牛肉の熟成をわずか数日間で実現し、肉本来のうま味を引き出せる。ほかにも、若いチーズを装置に1週間程度寝かすことで塩味がまろやかになり濃厚な味わいになり、魚の切り身も余分な水分を抜くことで魚の鮮度はそのままに、数時間から半日でうま味が凝縮されるという。
外形寸法は幅610×奥行650×高さ1600mm(突起部を含まず)、重量は135kg。オープン価格となっている。