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2024年「今年の一皿」は「うなぎ」に決定! 完全養殖技術の進展や店舗増など理由に【ぐるなび】

2024年12月4日 9:52 am

 ぐるなびは12月3日、日本の食文化を後世に遺すためにその年の世相を反映し象徴する食を選ぶ「今年の一皿」に「うなぎ」を選出した。「今年の一皿」は2014年から毎年発表しており今回が11回目。

 「うなぎ」の選定理由として、「完全養殖実用化に向けた研究開発をはじめ、うなぎを後世に遺すための動きが活発化していること」「加工技術の変化や提供方法の多様化により店舗が増え、高級食材としての地位を保ちながらも気軽に味わえる機会が増えたこと」「インバウンド客から人気を集め日本発祥の〈蒲焼〉を世界に発信する起点の年になったこと」の3点をあげた。

記念品を受け取るうなぎ愛好家の高城久氏(右)と実行委員会委員長の滝久雄氏

 記者発表会では、うなぎ店応援サイト「うなぎ大好きドットコム」の代表を務めるうなぎ愛好家の高城久氏が登壇し、ぐるなび会長兼創業者で「今年の一皿」実行委員会委員長の滝久雄氏から記念品を受け取った。記念品は、美術・建築・デザインの境界領域で活躍する野老朝雄(ところ・あさお)氏がデザインした「野老勾玉三巴紋瑠璃七段階⽫有⽥焼2024(ところまがたま みつどもえもん るり ななだんかいざら ありたやきにせんにじゅうよん)」と命名された有田焼の皿で、野老氏は「うなぎは日本的な⾷材・料理なので、日本の重要な紋図の要素である和柄の三巴紋や勾玉をモチーフにした」と説明した。

パネルディスカッションの様子

 その後行われたパネルディスカッションでは、近畿大学水産研究所特任教授の田中秀樹氏が、うなぎ養殖の歴史と困難さ、その意義を解説。愛知と岐阜で4店舗展開するうなぎ家社長の松井智子氏が、3カ月で主婦を鰻職人に育てるスキームを作った経緯などを紹介した。高城氏は「これまで数々のピンチをチャンスに変えてきたのが鰻業界。天然鰻の絶滅も危惧される中、完全養殖の商業化の未来を築いてほしい」とエールを送った。

左から滝氏、⽥中氏、高城氏、松井氏、野老氏

 このほか、準大賞に「ジャパニーズクラフトジン」、インバウンド賞に「プレミアムラーメン」、ノミネートに「アサイーボウル」を選定した。「今年の一皿」は、「その年に流行または話題となった」「その年の社会の動きと関係が深く世相を反映している」「食文化の記録として後世に受け継ぐ価値がある」の3項目を条件に、飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」の検索・行動履歴などのビッグデータから抽出したワードをもとに、ぐるなび会員を対象としたアンケート、メディア関係者の審査を経て決定される。