調査・統計ニュース

24年の外食トレンドは趣味や嗜好の近い人が集まる「つなグル」と予測【HPグルメ外食総研】

2023年12月7日 11:44 am

 リクルートは、趣味や目的が近い「〇〇好き」が集まる空間でコミュニケーションも楽しめる飲食店では、異業種とのミックスが盛んになってきていることなどから、〝人と人〟〝人とモノ〟をつなぐ「つなグル」が、2024年の外食トレンドとなると予測した。

 アートや英会話、将棋といった趣味を持つ人が、1人でも気軽に行って食べたり飲んだりしながらコミュニケーションも楽しめるタイプの飲食が注目を集めていることから、同社では、このような動向を「つなグル」と名付けた。

 この背景として、コロナ禍で日常的に話す相手が減り、他者とのコミュニケーションを求める人が増えたことがあり、特に若い人ほど「人と気軽に話せる場所」の需要があがっていることと、その候補として「趣味が同じ人が集まる飲食店」が選ばれる傾向が強まっているという。

日本語禁止で入会手続き・予約不要のEnglish Onlyのバー
Bar Sick!(東京都・渋谷区など)

 ホットペッパーグル外食総研所長の有木真理さんは、「異業種と組み合わせることが多いのも『つなグル』の特徴の1つ。2019年には『ホットペッパーグルメ外食総研』が、飲食店と異業種を組み合わせたジャンルを『ミクストラン』と名付けて発表しましたが、『つなグル』を楽しめるお店はある種、その進化系とも言えるかもしれません。外食の『リアルだからこその人と人とのつながり』や『エンターテインメント性』が他業種と組み合わされることでより魅力的になります。2024年は『つなグル』お店たちに注目です」と解説した。

 同社は、今回のトレンド予測の基準となった、全国の20~60代の男女を対象に9月29日から10月2日に実施した調査結果も公表した。有効回答数は3095件(男性1,550件、女性1,545件)。

 「気軽に話す相手や集まれる場所がコロナ禍を経て減ったと思いますか? また、それを取り戻したいと思いますか?」との問いに対しては、「気軽に話す相手や集まれる場所がコロナ禍を経て減ったと思う」は40.0%で、「取り戻したいと思う」が31.4%となり、コロナ禍で減った人とのコミュニケーションを求めている人が増えていることが明らかとなった。 

 「気軽に顔を出せるようなグループに新たに参加したいと考えた場合、趣味が同じ人が多い店に参加したいと思いますか?」の質問に対して、「とてもそう思う」と「思う」は全体で57.3%と半数を超え、特に20代では66.5%と高い結果となった。

 さらに、「飲食店(バーや小料理屋など)で会えばあいさつしたり、会話したりするような知り合いを作りたい/増やしたいと思いますか?」でも、「作りたい/増やしたい」の合計は全体で36.7%だったのに対して、20代は48.6%と高く、特に20代で人とのコミュニケーションを求めていることが分かった。

 一方で、「立ち飲みやバーなどの飲食店に行こうと考えたが、『なんとなく勇気がでなくて』『なんとなく恥ずかしくて』行くのをあきらめた経験がある」との回答が全体で37.7%、20代で48.0%と高かった。

 そして、「比較的趣味嗜好の近いお客が集まる飲食店で、気軽に話せるような知人やグループを作りたいと思うか」では「とてもそう思う」と「そう思う」が全体で30.8%、20代で43.9%という結果になった。

 これらの結果から、世代が若くなるにつれて、これまでの知らない人と飲みの場で親しくなるというより、趣味嗜好の近い人が集まる場で人とのコミュニケーションを求める傾向が強まっていることが明らかとなった。