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国産天然材料100%のコンクリート製ワイン発酵・貯蔵タンクを開発【ゴトウコンクリート】

2021年12月7日 11:48 am

 ワインの醸造方法としては、木樽のほかにステンレスやコンクリートタンクなどがあり、特にコンクリートタンクについては近年、保温性の良さなどで見直されている。ただ、日本で導入しようとした場合、海外から輸入して使用することが多く、重量が重く大きいため輸送コストも高くなってしまう。

 そんな中、各種コンクリート製品を手掛けるゴトウコンクリート(愛知・豊川、松林秀佳社長)が、ワイン発酵・貯蔵用のまゆ型コンクリートタンクを新たに開発した。

 日本ワインの発展に寄与しようと日本の有名ワイナリーの指導を受け国産材料のみで製造。まゆ型にすることで自然対流が発生し内部で攪拌され、上下の温度差が少なくなるようにした。また、コンクリートは木樽と同様に通気性がある一方、ステンレスとは異なり外部の気温変化の影響を受けにくい。一方でオーク樽のように香りがワインに移ることがないため、ブドウ本来の香りを追求したいというワインにはぴったりだという。

 タンクに使うコンクリートの材料は天然素材にこだわり、国産のセメント・石灰水・石灰砂・石灰石微粉末・天然水を練り混ぜて製造。硬化促進剤は使っていない。また、マンホールや吞み口、埋め込み部材にはステンレスを採用し、コンクリート内部にも鉄を一切使用していないという。容量は1000Lで、価格は白ワイン用が70万円、赤ワイン用が100万円。