口に入れて噛んだ瞬間に、海老のプリっとしたほどよい弾力が、その後にエビの風味とゴロゴロとした食感が伝わる。「これが冷凍の海老カツ?」と唸ってしまう――この冷凍海老カツを開発したのはヤヨイサンフーズ。これほどの食感と風味を実現できたのには訳がある。それは、海老に特殊なコーティングを施した上で、生地は生のまま冷凍処理してパン粉につける「生タイプ」としたためだった。
この製品を開発し製造するヤヨイサンフーズの気仙沼工場は、今年11月に竣工したばかり。実はこの工場、東日本大震災で旧工場が被災した宮城・気仙沼に建てられた、同社にとって復興のシンボルでもある悲願の工場なのだ。
その新工場には、さまざまな最新設備と技術を導入。生産ラインは魚、水産カツ、介護食の3ラインとし、徐々に製造を始めている。その中でも水産カツのラインでは、これまで蒸していた生地を生のまま冷凍にしてパン粉をつける「生タイプ」を作れるようにした。これにより、より素材の風味を味わえるようになった。
その第1弾として開発した〈本格海老カツ60〉600g(10個入)×6×2合では、海老の表面をコーティングする独自技術を採用。揚げた後に中はウェットながら表面に弾力がつくことで、よりプリッとした食感を楽しめるようにした。つなぎに関しても、噛んだ時に生地から海老が飛び出すように、卵白などを使った独自配合のつなぎを開発した。その上、生地の8割以上を海老が占めるので、ゴロゴロとした海老の食感を存分に楽しめる製品に仕上げた。
このコーティング処理した「生タイプ」の技術は、ほかの水産カツにも応用し、「海の幸」としてシリーズ化。今回は〈海の幸 ふっくら国産鮭カツ50〉500g(10個入)×6×3合と〈同 ふっくらカジキカツ50〉同、〈同 ふっくら白身魚カツ50〉同の3品をラインナップ。12月から順次発売していく。