新型コロナウイルスの影響により、イートイン以外で売上を上げることを求められる中、飲食店が作った家庭向けレシピやミールキットを販売して、飲食店の収入につなげられる新たなサービスが始まった。
ミールキットの企画・販売を手掛けるStay Restaurant (大阪・梅田、前田久美子社長)と飲食店のコンサルティングなどを手掛けるグローリーダイナー(大阪・服部天神、緒方伸幸社長、以下グローリー社)は、家庭用にアレンジされた飲食店自慢のレシピやミールキットを販売するオンラインショップ「Stay Restaurant」(https://stayrestaurant.shop/ )を開設した。
グローリー社は、大阪で運営していた沖縄料理店「Na-Chura(菜美ら)」を今回の新型コロナウイルスの影響で閉店したこともあり、イートインの営業ができなくてもレストランを残す仕組みづくりとして、レシピとミールキットの販売という「新たな販路」を飲食店に提供することを企画。グローリー社がプラットフォームの開発とレシピコンテンツの企画製作を、Stay Restaurant社がプラットフォームの運営やミールキットの企画・販売、飲食店とのやりとりなどを担当する。
レシピを販売する場合は、飲食店が販売したいレシピを提供。協議の上で販売価格を決定し、家庭でも作れるレシピを作成した上で「Stay Restaurant」で販売する。販売までは1週間程度かかり、レシピは1年間公開される。また、悪用防止として、購入時に会員番号が振り分けられ、その番号をレシピに透かしとして入れることで、もしネット上に流出させた場合、誰が購入したレシピかがすぐに分かるようにした。
ミールキットの場合は、飲食店がレシピを提供すると、Stay Restaurant社の提携飲食店が製造したミールキットを販売する。これにより、飲食店が自ら販売する際に必要となる面倒な各種の販売許可を取得しなくてもビジネスを始められるというメリットがある。飲食店が自前でミールキットを用意できる場合は、その商品の販売と配送、マーケティングを依頼する形で利用できる。
飲食店が得られる収入として、レシピ販売では75%分が飲食店に支払われる。ミールキットは材料調達費や調理工程、容量などにより変動するため、その都度で相談して決めるという。
同社は「閉店している状態であったり、同サイトで販売するメニューを店舗で提供していなくても、レシピやミールキットという形であれば販売できることがポイントになる」と話し、現在、国内外の飲食店と販売の準備を進めているという。