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日本初!会話可能なAIアバターの注文システムが実用化へ【EGGS’N THINGS JAPAN】

2020年7月28日 12:11 pm

 

 パンケーキレストラン「Eggs’n Things」のEGGS’N THINGS JAPAN(東京・六本木、松田公太代表)が、IT(情報技術)システムによる外食企業支援に乗り出した。AI(人工知能)技術開発などを行うスタートアップ企業のウェルヴィル(東京・南青山、松田智子代表)と共同開発したシステムを販売する。その1つとして国内初の自律対話(会話可能なAIアバター)による注文システム「AIアバターレジ」を開発中で、10月から実証実験に進む。
 
 「AIアバターレジ」は、来店時にモニターを通じてAIを搭載した店員のアバターと対話することで、注文・会計ができる完全非接触型のレジ。来店客の顔や姿から性別・年齢層などを把握したうえで、対話を通じてその人に合った商品を薦める。ウェルヴィルが開発した対話エンジンを搭載しており、「主語がないなど日本語特有の曖昧な会話もAIが内部で正しい文章に直してから応える」(ウェルヴィルの樽井俊行最高技術責任者)ことで、注文まで会話のみでスムーズに誘導する。

 例えば、来店客がオムレツから選ぶ場合にAIアバターが「オムレツのチーズはチェダーとモッツアレラのどちらになさいますか」と尋ねたときに、来店客が「どう違うのですか」と質問した場合、AIアバターは省かれた主語を補った「モッツアレラとチェダーではどう違うのですか」と解釈した上で、「モッツアレラとチェダーのことでしょうか」と確認する。注文を受けるだけでなく合計金額の計算、精算処理、調理指示なども行い、ホールスタッフのような役割を果たす。オペレーション効率化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大リスクがある時流では店員と利用客の接触場面を減らすことで安全・安心にも寄与する。


 販売にあたっては、EGGS’N THINGS JAPANの親会社とウェルヴィルが共同で設立したITシステム販売会社レターが販売する。レター代表には近くの飲食店を社食として利用できる「どこでも社食」のシンシアージュ(東京・池尻大橋)の久木田敬志代表が就任しており、久木田代表は「他業界にも積極的に販売する」と意気込む。既に6月からEGGS’N THINGS JAPANの店舗で実証実験してきた、オンラインによる「事前注文システム」、テーブル上のQRコードで注文・決済可能な「テーブルオーダーシステム」、レジで注文した利用客の場所を把握でき、呼び出すことなく注文品を届ける「カスタマートラッキングシステム」について先行販売し、追って実証実験を経て「AIアバターレジ」をラインナップする。料金は「事前注文」「テーブルオーダーシステム」は月額2~3万円。「カスタマートラッキングシステム」は未定。「AIアバターレジ」は「人件費が導入前の半分で済むレベルの金額」という。