新型コロナウイルスにより、集客が厳しい状況となっている飲食店も多い中、空き時間のキッチンを活用して副収入を得られるサービスが始まった。
ゴーストレストランの出店希望者と飲食店の空き時間のキッチンををつなげるマーケットプレイス「cookpy(ククピー)」を運営するcookpy(東京・六本木、安井一男社長)は、飲食店向けクラウドキッチン導入サービス「cookpyクラウドキッチン」(https://cloud-kitchen.cook-happy.com/)の提供を始めた。
「cookpyクラウドキッチン」は、飲食店が空き時間にキッチンスペースを活用して収益アップを図れるサービス。ゴーストレストランの出店希望者にキッチンを貸し出すほかに、店舗側での仕込みが不要な調理時間約5分で提供できるメニューをククピーから仕入れ、UberEats(ウーバーイーツ)などのデリバリーサービスで販売することで、毎月売上高の10~20%を受け取れる仕組み。
選択できる料理はサラダやおにぎり、スープ、タコス、ドリアなどがあり、現在、大手外食チェーン店2ブランドを含む10ブランドで、1ブランドにつき平均5種類のメニューを用意。飲食店はあくまで調理拠点として稼働するため、注文客に自店からのデリバリーであることはわからない仕組みだ。中には、かつて人気店だったものの諸事情により閉店を余儀なくされたカレー店のメニューなどがあるという。デリバリーサービスへの登録もククピー側が行う。
店舗側は、湯煎や電子レンジで温められる設備があれば、スチームコンベクションオーブンなどがなくても導入できる。一部の蒸し料理を提供する場合は、必要であれば蒸し器も貸し出す。食器などもククピー側が用意し、デリバリーサービスの導入費用も必要ない。
東京都内に10店舗以上のゴーストレストランを運営しているcookpyのノウハウとデリバリーサービスのデータ分析を基にしたそのエリアで売れそうなメニューや、実績のある大手外食チェーン店のメニューなどから選択できるのが特徴だ。実際に導入する際は相談しながら、それぞれの店舗の条件に沿ったメニューを選んで提供する。現在は東京都内での展開となっており、今後全国、海外への展開も視野に入れいてる。
1店舗に1ブランド導入したサンプル例では、単価1300円のランチで1日平均20食販売したとすると売上予想が月80万6000円となり、店舗側の収益は5万2390円となる。
今回、同サービスの提供に合わせて三井住友海上と提携して「クラウドキッチン保険」も始めた。食中毒などが発生した場合、保険期間(1年間)中に限度額1億円まで、クラウドキッチン提供者が負担する損害に対して補償を受けられる。この料金も利用料に含まれるため、店舗側が追加で支払う必要はない。