帝国データバンク(TDB)が、2000年1月1日から25年6月末までを集計期間とした「飲食店」の倒産動向によると、25年上半期における負債1000万円以上の法的整理による倒産は458件となり、前年同期(435件)を上回り3年連続で増加するとともに、上半期としての過去最多を更新した。
25年上半期の飲食店の経営環境は、コロナ禍で受けたダメージからの回復途上にあるなかで、食材費や人件費など運営コストの増加が響き、収益確保のめどが立たなくなったケースが多かった。上半期の倒産全体の約1割にあたる50件は物価高に起因した倒産だった。
業態別では、居酒屋を主体とする「酒場・ビヤホール」の倒産が105件と最も多く、前年同期の112件からは減ったが23年以降は3年連続で100件以上と高水準で推移している。町中華やラーメン店や焼肉店やカレー店などが属する「中華・東洋料理店」は88件と前年同期の78件から増加して過去最多を記録。「日本料理店」は46件と前年同期の30件から大きく増え、初めて上半期として40件を超過した。経費削減による企業の接待需要縮小が響いた。日本料理店では若年層の取り込みを目指して価格訴求を図ったメニューなどの開発を進めているが、常連客が徐々に離れる状況にも見舞われた。
TDBでは今後も経費の高騰や賃上げなどで収益が圧迫され、中小・零細事業者を中心に倒産の増加が続く見通しとしたうえで、通年では初の900件に達する可能性があると指摘した。








