外食産業新聞社創業50周年記念特別コラボ企画
日本外食新聞×レストランテック協会/主要経営者インタビュー
広告効果測定で顧客流入可視化
データ駆使して努力する世界を
広告媒体に多大な金額を投じているものの、果たしてそれがどれだけの集客に繋がっているのか把握していない飲食店は少なくない。しかしどうだろう。SNSという有効な入口が増えたいま、ネット広告に垂れ流し的にコストを掛けていて良いのだろうか。
しっかりとその効果を測定できれば、より有効なお金の使い途が見えてくるはずだ。シリーズ第2回は、より精度の高い広告効果測定技術をベースに、自らも飲食店を経営し生のデータで常にブラッシュアップを図っているfavyをフィーチャーする。
※2024年7月5日号「日本外食新聞」の記事を再掲します。記事中の数値などは掲載時のものです
favyという名称を一度でも聞いたことがある、という飲食店はかなり多いことだろう。それほど、飲食業界内での知名度は高い。しかし、「一体何をやっている会社なの?」という質問に対して、具体的に答えられる飲食店はそう多くはないのではないだろうか。
favyの核となる業務をひと言で表現すると、「店舗に特化した広告代理店業」だ。さらにかみ砕いて言うと、自分達の店舗で使った広告宣伝費の効果測定ができるツールを提供しているというのが最大の強みの会社だ。
例えば、幾つかの媒体に広告宣伝を打って、それが予約ベースで一体いくら売れたのかを瞬時に知ることは難しい。丹念にデータを突き合わせていけば測れないことはないが、かなり大変な作業となる。ましてや、店舗営業というメインの仕事を脇に置いて、そんなことに膨大な時間を掛けていたら本末転倒だ。
favyはその予約ベースの顧客流入がGoogle経由なのか、Instagram経由なのか、はたまたFacebook経由なのかをひと目でわかるように可視化している点が大きな特徴だ。favyの髙梨巧代表取締役社長がこう補足する。
「我々の中核サービスは①メディア②サーズ事業(モバイル)③シェア型フードホール──の3つだが、それらは全て相互に連携し合って1つの目的に繋がっている。その目的とは、デジタルマーケティングを活用して、飲食店の集客をもっと上げるということに他ならない。そして、3つの事業が結果的にインターネット上の店舗の認知向上を目指す、ネット集客代行会社という機能に繋がっていくわけだ。その中でも、例えば広告費10万円を投じて何組が店に来たのかといった、集客広告に対する来店効果測定サービスを最も得意としている」
その仕組みは、EC(通信販売)では当たり前の世界で、いつか見知ったことをいつか消費する――たとえその時間差があっても効果測定できるのがfavyの特徴であり強みだ。まさにECの世界を飲食店舗でもできるようにしたわけだ。
簡単に説明すると、サブスクリプションのシステムを使っていると、ボタンを押したときがECで言うところの注文完了と同じになる。だから、その人がどの媒体を見たかがわかる仕組みなのだ。
効果測定機能の付いたモバイルオーダーと、サブスクリプション業態を運営している企業がfavy以外にない点も、強みとなっている。来店頻度までわかるため、大手の商業施設でも評価され導入されているのが〈ファビーモバイルオーダー〉なのだ。