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なんと3辺合計105cm以下の世界最小シャリロボが国内外で本格発売へ【鈴茂器工】

2024年10月3日 1:34 pm

 米飯加工機大手の鈴茂器工が、寿司のシャリ部分を自動でつくるシャリ玉ロボットの新型機〈S-Cube〉を国内外で本格販売する。7月の日本での発売に次ぎ、今月中に海外市場にも投入する。

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 従来機を通じて、同社は外食では大手寿司チェーンを中心顧客として国内の寿司ロボット市場の8割超のシェアを有するなか、コンパクトな点などが特徴の同機種をフックに寿司専門以外の飲食店などにも客層を広げていく戦略を本格的に進める。

シャリ玉を供給できる状態の〈S-Cube〉

 〈S-Cube〉は、同社が3年ほどかけて開発した、持ち運びが容易な13㎏の立方体型のコンパクト機種。モーター搭載のシャリ玉ロボットとしては世界最小サイズで、寸法は横32.5㎝×奥行35.2㎝×高さ36.7㎝で、従来機に比べて高さが37%低いことから炊飯器を置くようなスペースがあれば十分に置けるものとなる。

 ごはんは1升(約260貫分)を一度に収納可能で、業界初の機能として大きさの異なるシャリ玉(12g~20g)を部品交換なしで成型できる。カフェや居酒屋、寿司も新たにメニューに加えたい和食店など新たな客層開拓を見込むなか、省スペース性と利便性などが評価され、国内ではまずは居酒屋での評価が高まっている。

10月1日に実施したイベントで〈S-Cube〉(右)について会見した鈴茂器工の鈴木美奈子社長

 同社の鈴木美奈子社長は10月1日、都内の高級寿司店「はっこく」で行ったデモンストレーションイベントで、「寿司の専門店だけでなく、そのひとまわり外にある顧客層を少しでも取り込みたい」との意気込みを示すとともに、海外についてはかねてから従来機も含めて北米、アジア、欧州の3市場を主な対象とするなか、顧客の外食企業などで北米での展開意欲が高まっていることに言及。
 ラーメン店が寿司とのセットを新たに出したいといった形で寿司のニーズが高まっていることなどに〈S-Cube〉で対応していきたい考えを示した。

 「はっこく」の大将である佐藤博之氏は〈S-Cube〉の性能について、「形もふんわりとできあがることから、あとはネタとシャリの一体感を出すだけ」とコメントし、仕上げの握り直しをするだけで高級寿司店レベルの寿司を提供できると評価していた。

《はっこく》の大将・佐藤博之氏