酒に特化したグローバル企業グループの柴田屋ホールディングス(東京・中野、柴泰宏社長/以下、柴田屋HD)は、群馬県高崎市にある1877年創業の増村酒店の営業権を譲受し、柴田屋HDが100%出資する「株式会社増村酒販」(伊藤博之社長)を設立した。
増村酒販は9月から営業を開始しており、2月に広島県広島市のミシマ(1966年創業)の営業権を譲受し設立した「株式会社ミシマ酒販」(杉村拓海社長)に次ぐ地方進出2例目となる。両社とも従業員を再雇用し、今までの営業体制を維持しているという。
柴田屋HDでは「ミシマと増村酒店は共に歴史があり、地元でも長年愛されてきた酒販店でありながら後継者問題に直面していた。このままでは地域の飲食店にも影響が及び、地域全体の飲食業の衰退につながる恐れがある。地方の料飲市場の発展に少しでも貢献したい」として経営を引き継いだという。
新会社の社長は柴田屋HDから選任し、基本的にはこれまでの営業体制を維持した上で、柴田屋HDの持つノウハウを地域のニーズに適合させながら、経営を引き継いでいくとしている。
柴田屋HDでは今後も後継者問題に直面する酒販店や飲食関連の企業に対して、積極的な支援を検討しており、今回のM&A案件は同グループにとって5件目となる。また10月には6件目の案件が控えており、地方の飲食業界に対する支援の幅を広げていく計画を進める。