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4割が昼飲み経験者!休日の昼飲みは25%とコロナ前に近づく【HPグルメ調べ】

2023年8月28日 2:27 pm

 新型コロナウイルス感染症が流行する以前から、定年退職者の増加などを背景に注目されていた「昼飲み」。記者も休日になると昼飲みをよくする。「昼からなら長時間飲めて非日常感が味わえ、リラックスして早く寝られる」というのがその理由だ。

 コロナ禍から飲食市場が回復しつつある中で、リクルートの外食市場に関する調査・研究機関であるホットペッパーグルメ外食総研が、首都圏・関西圏・東海圏での「外食での昼飲み」についての回復状況や今後の意向などを調査した。

■外食で「昼飲みをしていた/している」人は約4割。首都圏は割合が高く、東海圏では低い

 まずは、これまでに「昼飲み」をしたことがある人の割合を、いくつかの設問の回答の組み合わせから分析した結果、全体では39.8%が「昼飲みをしていた/している」となった。

 性年代別では、60代男性が最も割合が高く50.0%。また、圏域別では、首都圏での割合が高く42.9%、東海圏は割合が低く30.3%となった。

 外食での「昼飲み」の量と時期を尋ねた結果、「本格的な飲酒」の場合、平日の昼間の実施率はコロナ禍前が17.8%、コロナ禍中が13.9%、コロナ禍後の現在が16.3%。

 休日の昼間では、コロナ禍前が27.6%、コロナ禍中が20.7%、コロナ禍後の現在が24.9%。平日、休日とも、コロナ禍中は実施率が下がっていたが、現在はコロナ禍前に近い水準まで回復を見せている。

 同社が毎月実施している、夕方以降の外食市場調査における飲酒機会を調べると、コロナ禍前の2019年比で、コロナ禍後は7~8割程度まで回復しており、「昼飲み」においてもコロナ禍前に近く回復してきていることがわかった。

■「昼飲み」したお店トップ3は「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、洋食店等」の食事主体業態

 これまでに「昼飲みで利用したことがあるお店」の1位は「和食料理店」(38.6%)、「中華料理店」(36.4%)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」(34.9%)だった。

 今後「利用したいお店」の1位は「和食料理店」(34.8%)、「居酒屋」(32.8%)、「中華料理店」(31.3%)となった。これまでに「利用したことがあるお店」では、飲酒主体業態ではなく、食事主体業態がトップ3を占めた。

 性年代別では、50・60代男性で「中華料理店」、40~60代女性で「フレンチ・イタリアン料理店」、20代女性で「居酒屋」の割合が、これまでに「利用したことがあるお店」でも、今後「利用したいお店」でも、他の性年代に比べ高くなっている。

■「昼飲み」の人気アルコールトップ3は夜と同じ「ビール」「ワイン」「酎ハイ」

 「昼飲み」をしていた・している人にどんな種類のお酒を飲むかの質問では、「夜の外食でよく飲む」お酒が、「昼の外食でよく飲む」お酒と一致するかに注目。

 よく飲むお酒のトップ3は昼夜とも、1位は「ビール」(夜70.8%、昼68.2%)、2位「ワイン」(夜32.3%、昼25.3%)、3位「酎ハイ」(夜32.1%、昼22.2%)であった。

 一方、4位以下の順位は昼夜で必ずしも一致せず、特に「日本酒」(夜25.9%、昼9.3%)や「焼酎」(夜17.9%、昼6.5%)では、昼夜で割合の差が大きい。

 性年代別では、40~60代男性では「ビール」、30~60代女性では「ワイン」「シャンパン、スパークリングワイン」の割合が、昼夜ともに他の性年代に比べて高かった。

■今後「昼飲み」したいかは35.7%。実施率同様に首都圏で高い実施意向

 今後、外食で「昼飲み」をしたいかについて、いくつかの設問の回答を組合せて集計した。何らかの理由で今後、外食で「昼飲みをしたい」と回答した割合は35.7%。3分の1強の人は今後の「昼飲み」について、意向があることがわかった。

 性年代別で積極的なのは、60代男性(42.1%)と30代男性(42.0%)であった。圏域別では、外食で「昼飲み」の実施経験と同様に、首都圏(38.7%)で割合が高い傾向だ。

■外食で「昼飲み」したい理由は「リラックスできる、気分転換になる」が51.4%

 今後、外食で「昼飲み」をしたい人にその理由を尋ねた。トップ3は、1位が「リラックスできる、気分転換になる」(51.4%)、2位が「お酒を飲むことが好き」(35.9%)、3位が「昼のほうが贅沢感、非日常感がある」(31.2%)

 性年代別では、50・60代男性では「お酒を飲むことが好き」、20・30代女性では「昼のほうが贅沢感、非日常感がある」、60代男女では「食事の味がひきたつ」の割合が、他の性年代より高かった。

 人手があれば自店の業態とターゲット層を見極めた上で、「昼飲み」を始めてみるのもいいかもしれない。