食べ歩きブログ

老舗にはヒントがゴロゴロ!!

2019年6月25日 9:02 am

今宵は仕事帰りに降りた八王子の老舗飲食店探訪の旅!

やきとんの老舗【金太郎】さんから独立して早くも創業31年を迎えた、南口の【小太郎】さんへ。

名物は煮込みと炭火で焼き上げる焼きとん&焼き鳥。

煮込みは①味噌②辛口③カレー④塩の4種で、その種類の豊富さも去ることながら、小350円、中550円、大750円、特大(10人前)2500円といったサイズバリエーションも豊富。

さすが、ファンが付いている定番商品というだけあって、人数に応じてお客さんが選ぶことが定着しているのだからすごい。これはまさにこの店の文化だな。

そして、初めてのお客さんへの配慮も忘れない。迷ったときには〈煮込み食べ比べセット選べる3種類〉800円を用意。う~ん、抜け目がない!

迷った末に、カレー味と味噌味に豆腐トッピングを注文!豆腐がトッピングになっているということは、もつだけ勝負している証。自信がなければできないはずだと予想した。

実食してみると、もつの下処理が丁寧で、やはり予想したとおり、もつのクオリティで勝負するもつ煮だった。これまた味噌との相性がバッチリ。

そしてカレー味。思いのほか、スパイシーで本格的!臭みを誤魔化すためのカレー味ではなく、もつの美味しさを引き立てる本格的なスパイシーカレー。しかも、辛さを調整できるよう、カレースパイス付きなのも嬉しい。

串の中でも、この店の名物の1つ、〈豚バラのみそ焼〉250円を戴いてみると、豚の脂と味噌のハーモニーがクセになる、ヤバいやつでしたー!!

クセになる料理があるのとないのとでは大違い。それに引き寄せられて、ついつい通う人もいるので、やはり重要なコンテンツだ。老舗には何気なく、そういうものが複数あるから強いのかもしれない。

料理も去ることながら、マスターのキャラが立ちまくり。笑顔と人間力が半端ない。常にホールに気配せしながら、声をかけ、上手に立ち回ってオーダーを取る。

その行為がすべて滑らかでナチュラルだから、気がついたら巻き込まれている。これぞ飲食の真骨頂!街のレジェンドになる、というのは結局こういうことなんですねー!


続いては、こちらも老舗の町中華【萬友亭】さん。

実は営業時間は決まっていないという信じがたい緩さ。18時ちょい前に店を覗くと、まだ暖簾も出ておらず、提灯もついていない。

「今日は何時からですか?」と店内にいたお母さんに訊ねると、「そーいうの嫌いなのよね。お父さんが来ないと料理を出せないから、餃子くらいとドリンクならいいわよ」と、
ツンデレなお母さん。店内が暗いままなのも、「電気をつけるとお客さんが入って来ちゃうから」と商売っ気もゼロ。笑

電気が消えていても、次々とお客さんが入ってきて、黙って冷蔵庫からドリンクとグラスを取り出して席に座る。それを見たお母さんは「電気つけてるとか、暖簾出してるとか、関係ないみたいね」と笑う。実に不思議な店だ。

今年5月に創業52周年を迎えた【萬友亭】さん。その周年記念には、入れ替わり立ち替わり、常連客が料理を持ち寄って祝ってくれたのだとか。その様子を常連客がちゃんとアルバムにまとめてくれており、お店に並んでいた。

さらに、常連さんが作ってくれたという、チェキを使った周年お祝いの大きなポスターが壁一面に貼られていた。実に愛されている。どうしたら、こんなに町の人々から愛されるのですか?と、お母さんに訊ねると、「私の器量が良いからじゃないですか?それしかないもん」と笑うお母さん。

常連客の持ち寄った料理で祝ってもらい、マスターは、52周年のその日、マッチ1本使わず、白衣一切着ずに終わったと、嬉しそうに語るママさん。町の人々に愛される店の見本みたいな店だ!

個人店でなくても、店長のキャラが常連客の増減を左右することは明らか。企業経営の場合、「店長」ではなく「店主」と肩書きを変えた方が、本人もやる気になるし、お客さんもグッと近くなるんじゃないかなぁ。

「長(ちょう)」と「主(あるじ)」では、意識も全く変わってくるんじゃないのかと、2店の老舗を見ていて、ふと感じたというお話でした!ちゃん、ちゃん!

【小太郎】
https://s.tabelog.com/tokyo/A1329/A132904/13168110/

【萬友亭】
https://s.tabelog.com/tokyo/A1329/A132904/13044584/