リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が2月、宴会や飲み会について、勤め先や学校などから何らかの制限や指示が出ているかを尋ねたところ、「制限はない」の51.1%に対し、「なんらかの制限がある」が47.0%となり、多数派が入れ替わった。「制限はない」が5割以上になったのは、2021年11月調査以来となる。
■所属企業・団体から宴会・飲み会について「制限なし」が過半数(51.1%)に
「なんらかの制限がある」の内訳を細かく見ると、「制限する指示がなんとなくあるが、内容はあいまい」が17.3%と最多で、「オフィシャルな団体関連の送別会・歓迎会は自粛」13.7%、「オフィシャル以外のものも含め所属・勤務する団体の関係者での送別会・歓迎会は禁止」8.9%と続く。
また、勤務先や所属団体のある人に、2023年3月以降に送別会や歓迎会が開催される場合の参加意向を尋ねたところ、「特に条件なく参加したい」が19.8%、「条件付きで参加したい・計」が42.3%で、合わせて62.1%が「参加意向あり」の回答となった。
「条件付きで参加したい」の詳細を見ると、最多は「会場が安心できれば」14.2%だが、「人数」や「時間」の制限も複数の選択肢を積み上げると一定以上の割合を占めているため、幹事役は複数の安心できる要件を揃えることが求められそうだ。
一方、「どんな条件があっても参加したくない」は37.9%と4割に迫る割合で、意見が割れているようにも見える。
同社は「参加したくない理由の全てがコロナ禍に関連しているものではないと考えられるため、将来的にコロナ禍が収まった場合にもゼロになることはないだろう」と推測する。
■予約件数は回復も、予約1件当たりの平均予約人数はコロナ禍前比67.0%と少人数化
外食市場の回復具合を見る参考として、「ホットペッパーグルメ」における、23年3月・4月のインターネット予約の状況(23年3月9日時点)を19年(コロナ禍前)~22年の各年同日時点のインターネット予約の状況と比較した。
予約人数は、23年3月については、19年比で110.3%、23年4月については同64.3%と、3月については、コロナ禍前を超える予約人数となっている。
近年、世の中の外食の予約方法が電話からインターネットにシフトしてきていることもあり、予約件数だけで見た場合は、23年3月が19年比で164.5%、23年4月が同145.0%と、共にコロナ禍前を上回っている。
一方、予約1件当たりの予約人数については、コロナ禍前より大幅に減っており、23年3月と19年3月で平均人数を比べると、23年3月は19年3月の予約1件当たりの予約人数の67.0%と下回っている。
これは、企業宴会などを含む5人~10人や11人以上での予約の割合が低下し、4人以下の予約の割合が増加していることに起因している。
この調査は23年2月2~3日、全国47都道府県に住む20〜69歳の男女1035人(男性519人、女性516人)を対象に実施された。