飲食店の出店・運営支援サイト「飲食店.COM」などを運営するシンクロ・フードは、11月25~27日に全国の飲食店経営者・運営者402人に調査を実施した。
今回の調査は飲食店などへの時短営業の要請が出る前の調査であること、回答者のうち70.1%が1店舗のみを運営し、東京にある飲食店の割合は55.5%(首都圏の飲食店の割合は73.4%)となっており、これらの背景が結果に影響していることを踏まえた上で読んでほしい。
2020年10月の経営状況について昨年同月と比較してもらったところ、「前年同月より30%減った(16.4%)」との回答が最も多く、次いで「50%以上減った(15.4%)」、「20%減った(15.2%)」と続いた。
9月の同比では「30%減った(22.9%)」、「50%以上減った(19.4%)」、「20%減った(14.5%)」となっており、各データの分布はだいたいそのまま推移しているものの、減少の割合自体は減ってきていることがわかる。
次に、10月からスタートした「Go To Eat キャンペーン」への参加状況について聞いたところ、4割近くの飲食店が「『オンライン飲食店予約』と『プレミアム付食事券』の両方に参加(37.8%)」と回答。
「オンライン予約のみ参加した」(10.9%)、「プレミアム付食事券のみ参加した」(13.9%)のいずれかに参加した人も含めると、6割以上の飲食店がキャンペーンに参加していることが明確となった。
アンケートを開始した11月25日には、東京都が酒類を提供する飲食店などに対し、3度目となる営業時間短縮要請を発表。さらに新型コロナウイルスによる国内の重症者数が、過去最高を更新し続けている最中でもあった。
そうした中、本来は繁忙期となりうる12月に向け、どのような営業対策を行っているかを聞くと、48.8%が「感染予防対策の強化」と回答。次いで「グルメサイトやSNSでの集客(28.4%)」と続き、まずは感染拡大防止に努めたいという意識が表れていた。
予定している年末商戦の催しや、集客面での工夫について尋ねたところ、「特に何も予定はない(33.3%)」との回答が最多に。
一方で、「2~4名用コースメニューの用意」(32.1%)、「とりわけ不要コース(個食鍋など)の用意」(12.9%)などのほか、「年末特別メニューをテイクアウトで提供」(17.4%)もあり、少人数向けコースの用意やテイクアウト対応といった工夫も見られた。
特別メニューの用意や店舗での工夫などについて、どのような方法でアナウンスを行うのか聞いたところ、最も多かった回答は「Instagram」で54%。続いて「Facebook(47.8%)」、「グルメサイト(38.8%)」、「自店ホームページ(ブログ含む)(37.6%)」となった。
年末に向けて客足の数は例年並みに回復するかという質問に対しては、9割以上の飲食店が「回復しないと思う」と回答。
起爆剤となるはずだった「Go To Eat キャンペーン」をめぐって、各地でプレミアム付食事券の発行停止や人数制限などが実施されていることもあり、厳しい現実を予想する声が大半を占める結果となった。
年始以降の再来店を少しでも促すためにどのような対策を検討しているか、自由回答で尋ねたところ、「クーポン券の配布」といったお得感を煽るもののほか、「感染防止対策を徹底する」、「接客やサービスにおいて、基本的なことを丁寧に行う」など、まずは安心安全な日常を提供することで、飲食店としての信頼を得たいとの声が多く寄せられた。
最後に、今後再び飲食店へ向けた営業時間短縮要請が出された場合、要請に応じる意向があるかどうか(すでに要請が出されている地域の飲食店は、現状の対応について)聞いた。
その結果、約8割の飲食店が「要請に応じる(79.1%)」と回答。第3波はこれまで以上に感染者数が増加しているため、やむを得ない決断であると推測される。
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飲食店リサーチ