農林水産省は8日、「Go To Eat キャンペーン」の事業対象となっているオンライン飲食予約サービスを運営する事業者13社に対し、今後、キャンペーンで付与されるポイント未満での少額利用があった場合は、ポイントを付与しないことを前提にした対応を、飲食店と協調して行うよう依頼した。
同キャンペーンでは、ぐるなびや食べログなど事業対象となったオンライン飲食予約事業者のサービスを通じて予約した場合、利用金額にかかわらず昼食では1人あたり500円分、夕食(15時以降)では1000円分のポイントが付与される。
しかし、例えば夕食で席のみ予約をしたのち、300円の料理一品しか注文しないなど、ポイント額を下回る利用を繰り返してあまったポイントを稼ぐ、いわゆる「ポイント錬金術」の手法が一部で話題となっていた。
この「ポイント錬金術」は、たとえ集客増になったとしても売上額が低く、送客手数料などを含めると赤字になりかねない利用方法のため、飲食店側では不満が広がっていたが、農水省では当初、「ポイントは外食店のみで利用可能なため、『外食利用促進』というキャンペーンの主旨にはかなう」として静観していた。
ただ、野党議員からも適切でない利用法として見直しを求める声が上がっていたなかで、農水省も重い腰を上げ、国民の公平感に反しない仕組みに変える趣旨で見直しを協議していた。
同省は飲食店に対し、「席のみ予約には一定額の利用を求める方法や、キャンペーン対象をコース利用のみにする、というやり方も考えられる」と、ある程度の利用条件を設ける提案を行った。