コロナ騒動で外出自粛が続く中、街の要である飲食店を救おうとの動きが各地で広がっている。その中でも、全国的な広がりを見せているのが、地域の飲食店のテイクアウト情報を共有する「#エール飯」の動きだ。
この「#エール飯」はそもそも、別府市と市の外郭団体「別府市産業連携・協働プラットドームB biz LINK(ビービズ・リンク)」が3月18日からスタートした独自企画で、提供側の店舗や、テイクアウトで購入した消費者がその料理を写真に撮り、検索用のハッシュタグ「#別府エール飯」を付け、TwitterやInstagramといったSNSに投稿し、情報発信する取り組みだ。
この記事を書いている4月30日現在、「#エール飯」のワードでGoogle検索すると、実に約978万件がヒット。Instagramでも60以上のワード群が出てくる。
「#三条エール飯」「#とちぎエール飯」「#唐津エール飯」「#羽村エール飯」――などと、自治体、商工会議所やタウン誌など地元にゆかりのある企業などが活動の中心母体となり、全国各地で、窮地に追い込まれ必死に頑張る地域の飲食店を応援する動きが広がっているのだ。
オリジンの「#別府エール飯」を運営するビービズ・リンクでは「#○○エール飯」のコンセプトなどについて使用許諾は不要」と、オープンにしていることも、拡大に拍車を掛けている。
例えば、「#埼玉エール飯」(https://saitama-yell-meshi.com/)は、埼玉県桶川市に本拠を置く外食食材卸の関東食糧(http://www.kanto-syokuryo.co.jp/)が中心となって立ち上げており、店のマップも連動しているなど、使いやすさを重視。
同社は食にまつわるさまざまな悩みを解決サポートサービスとして情報サイト「FOODBELL(フーベル)」の公開準備を進めていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、飲食店向けに、各所情報やツールなどを発信するためのウェブページを3月6日に急きょ開設し、メインのサービスに先行してサイトを公開することとした。そのサイト内に、この「#埼玉エール飯」も設けた格好だ。
本家である別府市民11万7000人のプロジェクトとしてスタートした「#別府エール飯」のサイトを基本的にはオマージュしているものの、その内容はアレンジされ、負けず劣らずのテンションで飲食店の危機を呼びかけ、消費者が地域の飲食店からテイクアウトする気持ちを揺さぶり、鼓舞している。そのサイトを見てみると……。
という、掴みで始まり……、
という強烈なキャッチコピーでガツンと入り……、
と、めちゃめちゃ熱い文言がひたすら続き、埼玉県民に飲食店の応援を呼びかけている。そして、料理人に対しても……、
ちなみに関東食糧は4月19日の夜に「#埼玉エール飯」をフィーなしの条件で立ち上げた。同社の臼田真一朗社長は、「東京でも例えば東村山などの郊外でも投稿がどんどん増えている。作り手と食べ手が投稿できて情報が増えるので、とてもいい仕組み」と語り、こう続ける。
「とにかく、いま飲食店ができることがテイクアウトとデリバリー。いろいろなサービスがたくさん出て来ているが『#エール飯』は作り手、食べ手の双方が簡単にSNSに投稿でき、情報が多くなる。どんどん盛り上がってくれたら少しでも飲食店の皆さんと地域の皆さんの役に立てる。是非皆さんもどんどん投稿して飲食店を応援していきましょう」