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来週11月12日に迫る「居酒屋甲子園」決勝大会のレベルが半端ない!! 必見の仕組みを一部公開!

2019年11月6日 12:26 pm

 「居酒屋甲子園」というイベントをご存知だろうか。

 「居酒屋から日本を元気にしたい」という想いを持つ全国の同志により開催された、外食業界に働く人がより誇りを持ち、学びを共有できる場を提供する大会で、全国の地方大会を勝ち残った優秀店舗(5店舗)が年に1回、神奈川・横浜に集結して、それぞれの取り組み・仕組みや想いを発表。約5000人の飲食店関係者の前で、居酒屋甲子園における日本一の店舗を決定する催しだ。

 かつては「想い先行で商売的には微妙な店が多い」といった批判的な声が聞かれたの事実だが、ここ数年のエントリー店の取り組み・仕組みは、「人材教育・評価」「地方創生」「街づくり」「6次化」「インバウンド」「SDGs(エス・ディー・ジーズ)/フードロス」といったキーワードにも表れているように、その進化・深化は目を見張るものがある。実際に参加した飲食店からは「毎年、レベルが上がっており、多くの気づきと学びがある」との声が多く聞かれるほどだ。

 さて、14回目となる今回は、来週の火曜日、11月12日に、パシフィコ横浜・国立大ホールで開催され、全国1796の参加店舗の中から勝ち上がった5店舗のプレゼンテーションが行われる。ここで、壇上店舗の取り組み・仕組みを簡単に紹介するが、その前に、早めに席の確保をしておくことをお勧めする(チケット事前予約ページhttp://izako.org/ticket/)。学びと気づきの多い、壇上5店舗の取り組み・仕組みの概要は次のとおり。

【決勝大会壇上店舗①関東第一地区東京都/TOSCANA 神谷町店】

 「料理を通して多くの人を幸せにする」という企業理念を掲げ、リーズナブルで健康的なイタリア料理を提供しているTOSCANA神谷町店。「日本一おいしいミートソース」をはじめとしたキラーコンテンツの開発や、こだわり抜いた食材、無化調への挑戦。

 店舗経営においても高いレベルに位置しており、特に「未来の料理人づくり」を目指し、調理師学校出身者の比率が社員の90%に達するなど、現代の外食業界において革新的とも言える取り組みが高く評価された。

 また、相談倍返しやグランドメニューの企画などを通して料理技術の高いスタッフを活かす取り組みを実現しながらPB商品化やスリムなシフト作成を実施することで、生産性の向上を実現している。

 

【決勝大会壇上店舗②北陸甲信越地区新潟県/燕三条イタリアンBit】

 「飲食を通して燕三条を発信する。」という想いのもと「Think globally,Act locally.~世界基準で物事を考え、地域で実践する~」と掲げる想いは、第10回で日本一になり4年経った今もなお変わらない。更なる成長を遂げた現在では「世界で勝負できること」を「価値」と位置付け様々な経験を積んでいる。

 店内の随所に飾られた燕三条の工芸品のみならず、こだわりのプロジェクションマッピングルームでは、新潟の美しい自然、燕三条のものづくりの歴史を360度の映像に囲まれながら、料理とお酒を五感で楽しめる5Dマリアージュコースを提供。世界を見据えたその挑戦の数々は留まるところを知らず、日本の飲食業界の可能性を感じさせてくれた。

 また、人材の価値を高め、取引企業様の価値を高め、お客様の価値を高めることで、地域の価値を高めるという「本質」をついた取り組みの数々は飲食業における地方での存在価値を体現している。

 

【決勝大会壇上店舗③東海地区愛知県/なかめのてっぺん名古屋】

 「すべてのひとの幸せのちからに」という理念は様々なステークホルダー(お客さん、従業員、生産者、取引業者)にとっての価値へと繋がっている。それは結果として業績へも繋がっており、その店舗運営のあり方は理念浸透のモデルとして大きな学びと気づきがある。

 また、世の中に存在する「もったいない食材」にスポットライトを当て、社会においしく還元することをミッションにした「築地もったいないプロジェクト」へ取り組み、お客さんへ新たな価値を提供している点は評価に値する。メニューの半分をその日のおすすめで構成することによる従業員教育へも紐づいており、料理技術の向上に繋がっている。

 売れるものを売るのではなく、売れないものを売れるようにする高いプロモーション力で、商品の価値を発掘し訴求させる人間力にこだわった取り組みは、人工知能の時代だからこそ、意味深い。

 

 


【決勝大会壇上店舗④関西第1地区大阪府/火の鳥花園本店】

 経営理念「元気と美味しいで笑顔を拡げます」を掲げ、日本のおもてなしは万国共通であることと共に、人材育成と地域への貢献といった取り組みを実現。

 行動指針の明確化としての「ジャブ100連発」をスタッフ一人ひとりが愚直に体現することで、店から西成の街への活性化へとつなげていることが、「火の鳥花園本店」の強み。

 また、インバウンド対策として、顧客ターゲットを徹底的に分析するだけではなく、ターゲットが求めるメニュー戦略、時間単価、ヒット商品の仕掛け方が非常に明快であり、実際に来店した外国人観光客と積極的なコミュニケーション力を発揮するなどの前向きな姿勢は、見習うべき学びと気づきがあった。

 グローバライズが必要な外食産業のあるべき居酒屋の方向を指す事例が多く、今後、世界に目を向けようとしているすべての飲食店にとって、鏡となるような取り組みだ。

 

【決勝大会壇上店舗⑤九州第2地区鹿児島県/特攻チキン野郎】

 「鹿児島の価値と可能性に気づき、食を通じて日本全国、世界を元気にする」の理念のもと、地域再生として「長島町プロジェクト」を立ち上げ、特産である養殖ブリの餌にお茶を混ぜて育てた「茶ぶり」をはじめ、今まで知られていなかった長島町の食材を、鹿児島、東京で発信することに成功した事例が、高く評価された。

 更には生産者さんとの連携を実現し様々な地域の食材を自社で商品化。長島宝島プロジェクトを軸とする鹿児島の価値を再発見する取り組みは、地元の魅力をお客様へ提供することだけでなく、原価率をマネジメントし、コントロールすることで、生産者さんの収益性も高める成果へとも繋がっている。

 また、人材育成では、理念浸透を目的とした考え方をベースに、ネバグラムという教育システムが現場に落としこまれ、教える側と教わる側の共通の認識と目標を持つことで、チーム力の向上を図っており、こうした人材育成の具体的な取り組みの数々や、地域活性を目的とした業態の磨き込みは、飲食店ができる地方創生モデルとしての可能性を感じさせる取り組みだ。

 このプレゼンを生で見ない手はない。11月12日、スタッフを引き連れて、パシフィコ横浜・国立大ホールに行こう!!(チケット事前予約ページhttp://izako.org/ticket/