食品加工品(魚介)新商品情報

冷凍なのに生の食感を実現! ミョウバン不使用のチリ産ウニ発売【ニックスインターナショナル】

2025年8月18日 8:46 am

 寿司業態や海鮮系居酒屋などで欠くことのできないウニの供給が不安定になっている。輸入ウニについては、資源の減少・保護(規制)、ダイバーの減少などによる生産量の減少に加え、生ウニの大半がアメリカや中国に流れており、原料相場も年々上昇傾向にある。そのため、限られた生産量の中で質の良い安価な原料を抑えにくく、日本向け買い付けは「質」よりも「量」を優先するようになっているという。

 そのため、高温でのブランチング(湯通し)で表面を一気に固めるため表面が固くなり、ウニの持つ冷凍特性や長期保管により後味に苦み・エグミを感じるといった味の劣化したものが流通しているという課題がある。

 そこで、冷凍ウニの輸入と生鮮冷凍魚介類の卸売りなどを手掛けるニックスインターナショナル(東京・日本橋、高濱信也社長)は、生ウニに食感が近く、長期保管しても劣化しにくい安定した味の冷凍ウニを開発し、チリ産ウニのPBブランド〈フィヨルドの雫〉を立ち上げた

〈フィヨルドの雫〉のロゴマークとキャッチフレーズ

 一般的にウニの「ゆるみ」や「溶け」を抑えるためにミョウバンを使用することがあるが、〈フィヨルドの雫〉では、ミョウバンをはじめとする添加物は一切使わず、塩水とブランチングのみで仕上げたウニを使用。ブランチングについては、表面だけをコーティングする従来の方法を見直し、独自の方法で境目のない「生感」と溶け出さない「身締め」の両方を確立した。

 また、冷凍特性から生じる長期保管時の経時変化による「エグミ」を抑え込み、長期保管でも劣化しにくい安定した味にするため、加熱の浸透具合を調整し「エグミ」を低減させることに成功。高品質のブランチング冷凍ウニを完成させた。

 同製品の開発にあたっては、現地のパッカー(原料買付から加工、パッケージング、輸出業務までを手掛ける企業)を厳選し、独自のブランチング製法を確立するため、現地で試作してから日本で検証するといった試行錯誤を何度も繰り返し、完成までに3年かかったという。

 今回、業務用と小売向けの両方で同ブランドのウニ製品を販売し、業務用では「45g×50入×2合(変更の可能性あり)」と「100g×30入×2合」の2規格を用意した。