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飲食店の95%が「水産物の流通減った」と答え98%が仕入れに危機感【Chefs for the Blue調べ】

2025年6月13日 8:45 am

 日本の漁業・養殖業の生産量は1980年代の3分の1以下となり、沿岸漁業の生産量も6割以上減少。食用魚介類の自給率は54%(2023年度/概算値)と、1964年(113%)の半分以下となった。

 このような水産物生産の減少が飲食業界に与えるインパクトを明らかにするため、持続可能な海と食を目指した啓発活動を行うシェフの団体である一般社団法人Chefs for the Blue (佐々木ひろこ代表)は初めて、飲食店のオーナーと食材調達担当を対象とした「水産物調達の実態調査」を実施。10年前と比べて魚介類が市場などに流通する物量を聞いたところ、95.2%が「減った」と回答。仕入れの今後については98.1%が「危機感がある」と回答した。

 また、流通量が「とても減った」と回答した割合は客単価が高い店舗ほど高くなり、3万円以上の店舗で「とても減った」が51.3%と半数を超えた

 

 10年前と比べた魚介類の価格についても99.5%が「高くなった」と回答。こちらも客単価と「とても高くなった」の回答に相関がみられ、客単価3万円以上の店舗で「とても高くなった」が78.1%を占めた。

 特に減った魚種ではイカ類が最多となり、続いてウニ、サンマ、海老類、タコ類と続いた。

 今回の調査は5月15~29にインターネット調査で実施され、1301人(1267店)から有効回答を得た。回答者の料理ジャンルは以下の通り。

 一般社団法人Chefs for the Blueは2017年、東京のトップシェフ約30人が集まった海についての深夜勉強会を起点とする料理人チーム。持続可能な海を目指す自治体・企業との協働プロジェクトや各種ダイニングイベント、次世代の教育事業、飲食業界を中心とした海の学びのためのコミュニティ運営、国への政策提言といった活動を行っている。