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訪日外国人の飲食店単価が7000円突破! 8カ月間で約1.3倍に!!【Japanticket調べ】

2024年10月25日 12:39 pm

 インバウンド集客向けe チケット管理システム〈Japan ticket〉を展開するJapanticket(東京・恵比寿、田中宏彰社長)が発表した「インバウンド飲食事前予約リサーチ2024秋」によると、2023年12月から2024年7月にかけての8カ月月間で、平均顧客単価が5398円から7002円へと約1.3倍上昇したことが分かった。

 同リサーチは、2023年12月から2024年7月までの10万人以上分の〈Japan ticket〉予約データを基に、台湾・香港・韓国・欧米豪・中国の5つの国・地域からの訪日客の事前予約についての動向を比較調査したもの。

 〈Japan ticket〉を利用した飲食eチケットの1人あたり平均販売単価を国・地域別に見てみると、全ての国・地域で多少の増減はありながらもおおむね上昇傾向にある。また、各国・地域ごとの平均値では中国からの訪日客の消費額が他の国・地域からの訪日客と比べて大きかった。

 同社では「円安や為替、日本国内でのインフレの影響もあると考えられるものの、〈Japan ticket〉で販売しているeチケットの提供単価が同期間で大きく値上がりしているわけではないため、観光客1人あたりが飲食や体験に払う単価が上昇している傾向にある」とした。

 事前予約のリードタイム(予約日から利用日までの日数)については、台湾が23.5日、香港が16.38日、韓国が11.75日、欧米豪が10.38日、中国が8.75日となった。香港や台湾が20日前後と比較的長く、欧米豪や中国、韓国は10日前後と短い傾向が明らかとなった。

 各国籍・地域別の「平均泊数」と比較してみると、台湾や香港、韓国については平均泊数よりもリードタイムのほうが長いことから「旅マエ予約」が多く、欧米豪、中国については平均泊数よりもリードタイムのほうが短いため「旅の直前や旅ナカでの予約」が多いという傾向が推察される。

 事前予約のキャンセル率は、韓国が39.46%、台湾が25.73%、香港が22.70%、中国が22.50%、欧米豪が8.36%だった。台湾、香港、欧米豪、中国についてはおおむねリードタイムが長いほどキャンセル率が高く、リードタイムが短いほどキャンセル率が低いという傾向が見られた。

 一方、韓国はリードタイムが短くてもキャンセル率が高いという状況が見られ、他の国・地域とは異なる動向が見られた。なお、〈Japanticket〉では、事業者の機会損失リスクを回避する目的で、3日前までのキャンセルであれば全額返金するという制度を採用している。

Japanticket常務執行役員兼インバウンドプロデューサーの藤倉正臣さん

 Japanticket常務執行役員でインバウンドプロデューサーの藤倉正臣さんは「韓国のリードタイムの短さと高いキャンセル率は、地理的な近さに加え、韓国で幅広く導入されている順番待ちシステムの影響が大きいと考えられます。これらの要因により、日本への旅行を国内旅行のように気軽に計画し、キャンセル料の発生前であれば必要に応じて気軽にキャンセルするという行動パターンが存在していると考えられます」と分析した。

 全体の傾向について藤倉さんは「2024年7月に円安がピークを迎えたことは、インバウンド消費に大きな影響を与えたと考えられます。しかし、〈Japan ticket〉経由の飲食消費単価の上昇は為替レートの上昇幅を上回っており、訪日消費が活性化していることを示す重要な指標です。この事実は、円安という外部要因だけでなく、日本の観光の魅力が消費者の購買意欲を刺激していることを裏付けています」との見解を示した。