リクルートの外食市場に関する調査・研究機関であるホットペッパーグルメ外食総研が2019年から1年に1回実施している「外食市場調査」の飲酒市場の概況によると、「飲酒を伴う外食を行った業態」では、コロナ前の18年度→23年度で、タイ料理やベトナム料理といった「アジアン料理店」で飲む機会が増加していることが明らかになった。
傾向を見るために、コロナ禍よりも前の15年度比での調査によると、アジアン料理店の市場規模は8カ年度で290億円から376億円へと、約3割増加。
性年代別で見ると、60代女性を除く全性年代で売上が増えており、中でも20代男性は28億円から45億円と157.9%増、60代男性は14億円から22億円と154.6%増と、売上の伸びが顕著であることも判明した。
一方で、居酒屋の市場規模は8カ年度で約29%減少。性年代別では人口増加影響で50代女性では好調。20代では男性が543億円から364億円、女性は499億円から395億円と、男女の売上が逆転した。
外食全体の回数が18年度比76.3%まで戻ったのに対し、飲酒を伴った外食の回数は同68.0%と戻りが鈍い。一方、単価は飲酒を伴った外食の伸びが大きく、高付加価値化が進んでいる。
なお、飲酒ありの外食実施率が18年度比で下がり、頻度はそこまでは減っていないことから、同社は「飲まない人が増え、飲む人は飲み続けている(ライトユーザーの離脱)」と結論づけた。
性年代別でみると、30代男性、50・60代女性などで特に飲まない人が増え、頻度はそれほど下がっていない。また20代男女は離脱率が低く、頻度が落ちているという他の年代と違う動きがみられた。これについて、同総研の稲垣昌宏上席研究員は「おそらく若年層は節約志向が強く働いているのではないか」と述べた。