厨房機器大手のホシザキは5月29日(現地時間)、フィリピンのフードサービス機器輸入販売会社2社の株式取得を完了し連結子会社化した。今後、市場拡大が見込まれるフィリピンの販売基盤を強化し、同国内での販路拡大を目指す。
今回、同社の連結子会社で東南アジアの統括会社であるホシザキ・サウスイーストアジア・ホールディングス(シンガポール・西府正剛社長/以下ホシザキ・サウスイーストアジア)を通じて、フィリピンのテクノラックス・イクイップメント・アンド・サプライ・コーポレーション(マニラ、ウィリアム・A・ステルトン社長/以下テクノラックス)の発行済み株式の100%と、HKRイクイップメント・コーポレーション(マニラ、クリスター・アレクサンダー・V・ステルトン社長/以下HKRイクイップメント)の発行済み株式の80%を取得した。
ホシザキは2017年にフィリピンの現地法人としてホシザキ・フィリピンを設立し、同国内でホシザキグループ製品の拡販に取り組んでおり、東南アジアでは2023年7月、フィリピン、シンガポール、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムの6カ国の現地法人を統括するホシザキ・サウスイーストアジアを設立。同月には域内のサービス体制強化を目的に、タイに東南アジアサービスセンターを設立し、域内の自社技術者、代理店・修理委託店のサービススタッフ向け研修を行っている。
一方、テクノラックスとHKRイクイップメントは共に、フィリピン国外の有力フードサービス機器メーカーの商品を幅広く取り扱い、アフターサービスや機器メンテナンスに強いフィリピントップクラスの輸入販売業者で、持株会社であるテクノホールディングス傘下にあった。テクノラックスがホテルチェーン、外食チェーンに多数の納入実績を持ち、HKRイクイップメントは主に大手レストランへの販売を行っており、それぞれ納入先に合わせた製品を提供している。
ホシザキ・フィリピンが現地の販売・修理の代理店を通じて製品やサービスを提供する中、これまでも両社と代理店としての取引があったという。今回の連結子会社化により、両社の持つフィリピン国内のネットワークを活かしたホシザキ製品の拡販を目指し、両社のアフターサービス事業を、ホシザキのノウハウ共有により付加価値を高め、フィリピン国内でのサービス体制を強化。市場を熟知した現経営陣と共に、フィリピンと東南アジア地域の事業拡大を図っていくとしている。
テクノラックスは、1975年4月設立で2022年の売上高は15億5590万ペソ(41億2330万円、1フィリピンペソ=約2.65円で換算)。HKRイクイップメントは、1993年7月設立で2022年の売上高は8億1270万ペソ(21億5360万円、同)。