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卵メニュー休止の大手外食企業数が初めて減少! 鶏卵価格は下落の可能性も【帝国データバンク調べ】

2023年6月7日 12:37 pm

 帝国データバンク(TDB)が公表した、6月の「卵メニュー休止状況調査」によると、3月からの調査開始以降、休売企業が初めて減少に転じた

 同調査は上場外食大手100社の発表ベースの情報を基に3月から毎月上旬にまとめているもの。それによると、23年に入って卵を使用したメニューの休売に踏み切った、または表明した企業で、6月6日の調査時点で休売している企業は27社だった。これは前回5月8日調査から2社減となり、調査開始以来、初めて減少に転じた。

 同調査は鳥インフルエンザ拡大で鶏卵の供給不足と価格高騰が著しかった時期から行ってきたもので、第1回目の3月5日時点では卵とじやタルタルソースなどへの影響から休売が少なくとも18社に上るという結果だった。以降、4月5日調査では中華料理やパンケーキなどにも影響が広がり、少なくとも28社に上り、5月8日調査では29社まで増えた。

 今回、大戸屋ホールディングスと浜木綿で初めて卵メニューの提供を一部再開する動きがあったことがわかったことから、休売中の企業を2社減らしたという。大戸屋ホールディングスは「大戸屋ごはん処」でタルタルソース使用の〈大戸屋風チキン南蛮定食〉の販売を再開している。

 鶏卵の卸売価格が4月以降は高値圏での横ばい推移にあるなか、TDBは供給力が徐々に回復していることから鶏卵価格は緩やかな下落に転じる可能性があると指摘。また、植物由来の「代替卵」を使用したメニュー開発が進んでいるなど鶏卵以外の選択肢も増えて「エッグショック」への抵抗力も上がってきていることも踏まえ、「卵メニュー休止の動きは緩やかに解消に向かう」との見解を示している。