ロイヤルホールディングス(東京・桜新町、黒須康宏社長。以下、ロイヤルHD)は、2018年3月16日にオープンした「シェーキーズ イオンモール座間店」と、3月29日に開業した東京ミッドタウン日比谷の「Q CAFE by Royal Garden Cafe」「HIBIYA DELI & CAFE」に、Okage(東京・八重洲、内田善久社長)が開発・提供するモバイルオーダー&モバイルPOS統合管理サービス〈Okageシリーズ〉を相次いで導入した。
3店舗の運営会社で、今回のツール選定も実施したロイヤルHD傘下のアールアンドケーフードサービス (東京・桜新町、上村浩二社長。以下、R&K)では〈Okageシリーズ〉を「社内各システム(POSレジ・売上集計・発注棚卸・ワークスケジュール管理など)とのデータ連動によって業務効率化につながる」と評価し、〈Okageシリーズ〉が提供する各種サービス機能が、利用客の料理オーダーから会計にいたる一連の店舗運用の自動化によって、店舗現場の付加価値向上、生産性向上にも役立つと判断した。
東京ミッドタウン日比谷6階にはビジネス連携拠点「BASE Q」があり、その一角に立地した「Q CAFE by Royal Garden Cafe」は、一般利用できるカフェスペースと、ミーティングや個人作業などに利用できる時間課金制のワークスペースの2ゾーンを、一体で運営する店舗として設計された。そこでR&KがPOSレジ&オーダーシステムに求めたのは①カフェ・レストランの受注と会計を行えること②ワークスペースの時間課金・オーダー受注と会計が行えること③エキシビションスペース、会員制コワーキングスペースのケイタリング受注と会計が行えること、の3条件。
この3条件を満たした上で、ロイヤルグループの店舗管理システムと連動できることが確認できたため、同社は〈Okageシリーズ〉の導入を決めた。 結果として、「Q CAFE by Royal Garden Cafe」には〈Okageシリーズ〉のモバイルPOSレジ〈Okageレジ〉、オーダーエントリーシステム〈Okageレジ ハンディ〉、セルフオーダーシステム〈オーダーブック〉、店内モバイルオーダー〈Okage Go店内版〉が導入された。
カフェスペースの利用客は店舗で用意したiPadセルフオーダー端末から、自由にセルフオーダーが可能。ワークスペースの利用客は、専用のアプリをダウンロードすることなく、入店時に渡されるQRコードとワンタイムパスワードを使って、自身のスマートフォンから必要に応じてセルフオーダーし、レジで会計もできる。また、9階の「HIBIYA DELI & CAFE」には〈Okageレジ〉、キッチンディスプレイ〈Okageキッチンディスプレイ〉、店外モバイルオーダー〈Okage Go店外版〉が導入された。〈Okage Go店外版〉によって、利用客は自身のスマートフォンから弁当などのテイクアウト(持ち帰り商品)の予約ができる。キャッシュレス決済を利用すれば、レジに並ぶことなく、短時間で予約品をピックアップできるため、ランチ時の混雑解消が見込めるという。
一方、「シェーキーズ イオンモール座間店」には〈Okageシリーズ〉の最新サービスである〈Okageセルフレジ〉が導入された。〈Okageセルフレジ〉はタブレット端末をセルフレジ端末として使い、小型のつり銭機(グローリー社製)とは独立して設置可能のため、従来型のセルフレジより省スペース、省コストで導入できる。バーコードリーダーをタブレット端末に接続し、クーポン連動券売機として運用するのも容易だ。
R&Kでは、東京ミッドタウン日比谷への〈Okageシリーズ〉導入の際に〈Okageセルフレジ〉のリリースを知り、もともと「シェーキーズ」店舗で無人機システムの導入を検討していたこともあって、「シェーキーズ イオンモール座間店」での初導入を決断した。同社では〈Okageセルフレジ〉導入のメリットとして、「『会計』『ご案内』オペレーションでの省人化」と「システムコストの削減(1台分の券売機コストで複数台をまかなえる)」をあげている。同店では〈Okage Go店外版〉も導入し、利用客が来店前に、自身のスマートフォンからテイクアウトを予約できるようにした。支払いは、スマートフォンでのキャッシュレス決済ができるほか、店舗での受け取り時に、テイクアウト用のセルフレジを使った現金払いも可能となっている。
●〈Okageシリーズ〉とは● 上記のOkage社が2009年から開発・提供しているモバイルオーダー&モバイルPOS統合管理サービス。インターネット環境さえあれば、自社サーバーの用意なしで運用できるクラウド型のPOSレジシステムは、飲食店向けとショップ向けの兼用タイプが多いが、〈Okageシリーズ〉は当初から飲食店向けに特化し、モバイルに徹底してこだわった設計思想で開発された。そのため、飲食店舗側が使う業務用のPOSレジ、ハンディ、キッチンディスプレイに加えて、利用客向けのセルフオーダ-、セルフレジ、モバイルオーダー(店内)、モバイルオーダー(店外)のサービスがすべて切れ目なく、リアルタイムで連動して、管理・運用できる。
各サービスには、飲食店ならではの機能が数多く用意されている。中でもユニークなのは、紙のメニュー、カタログ、チラシをスキャンしてシステムに取り込むだけで簡単に画面タッチの注文アプリ化でき、レイアウト変更もできる電子カタログ型セルフオーダーシステム〈オーダーブック〉(特許出願中)だ。コストも格安で、利用料(システム運営費用)は1端末につき月額1000円(税別。ただし最低料金は月額5000円)となっている。