テレワークを導入する企業が増え、家以外での仕事場を探すニーズが高まっている中、ソフトバンクの子会社であるSBイノベンチャーが、アイドルタイムの空席をワークスペースとして提供するマッチングサービスの事業化を進めており、6月18日から飲食店などスペース提供者の募集を始めた。
この新事業を推進する「ワークスルー」プロジェクト(事業責任者:加々本雄太郎氏、https://work-thru.com/shop_entry)は、レストランやカフェなどの空席をワークスペースとして提供するアプリ「ワークスルー」のβ版を7月にリリースする予定としている。それに先駆けて、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都4県のレストランやカフェ、カラオケ店などを対象に、専用サイト(https://forms.gle/7n1ofcQ33HakJY2S7)での募集を開始した。
「ワークスルー」は、ユーザーが希望するスペースと日時を選び、アプリでワークスペースを事前予約。オフィスに代わって日常業務や商談・ミーティングの場として利用できるサービスだ。
空席は最低30分から予約でき、その後15分単位で貸し出す。利用料金は、カウンター席が15分毎に税込50円、テーブル席が同100円、個室が同150円。初期費用や月額利用料はかからず、利用された場合は利用料総額の50%分から振込手数料分を差し引いた金額を、当月末締め翌月末払いで支払う。複雑な契約の調整などは一切なく、アプリ内にドリンクやフードなどのクーポンを掲載することもできることから、新しい顧客層への認知拡大や利用機会の創出にも役立てられ、ドリンクやフードの売上は全額店舗側が受け取る仕組みだ。
申し込む際には、①スペース内に無料Wi-Fiが利用できる②デバイスやパソコンで予約の確認ができる③週1日1席1時間以上のアイドルタイムーーが必須要件となっている。また、奨励項目として①席と席の間隔が広く開放感がある②席にパソコン、ノート、スマホを置ける十分なスペースがある③電源のある席、延長ケーブルで電源を引ける席がある④PC作業ができる程度の十分な明るさがある⑤店内に個室がある――を挙げている。このほかにもブランディングを重視するために、運営メンバーが現地の雰囲気やアクセスのしやすさなど確認する「ワークスルー」独自の審査基準を設けている。
審査が通った店舗には、「ワークスルー」プロジェクトが予約管理ツールやカスタマーサポートを提供し、ロゴステッカー、店舗スタッフ向けマニュアル、ユーザー向けマニュアルなどを送付する。スペース利用料金の決済も全てアプリで完結するため、現地で決済する手間はかからない。ただしフードやドリンクを提供する際は、その場で決済することになる。
すでに、「ウルフギャング・パック カフェ」などを展開するダブリューピィージャパンや、「わらやき屋」などを展開するダイヤモンドダイニング、アサヒフードクリエイトが導入を決定しており、年内に100店舗以上との提携を目標としている。
「ワークスルー」プロジェクトの事業責任者である加々本雄太郎氏は「
街のあらゆるアイドルタイムの空席を、Wi-Fiや電源などのIT環境が整った
ワークスペースとして提供していきたい。飲食店だけでなく、古民家、地方の旅館など、今まで仕事をする場所として考えられていなかった空間も、ワークスペースに変えていくことで、誰もが心から楽しみ働くことのできる世界に変わっていくと、心から信じている」とコメント。β版をリリース後、同プロジェクトの法人化を目指す。